雲珠桜は夏に彩る 衝撃事実、教えます01 「な、何なのこの二人…………?NO, 2ってことは、あの二人仲間なんじゃないの?それに精神安定剤って…………」 「黙ってろ、ツナ」 「…………あの娘、ユニはミルフィオーレ側 の人間だ」 「?!」 慌てるツナを落ち着かせるように正一は、ゆっくりと選んで言葉を紡いだ。 「彼女は…………白蘭サンの手によって、魂を壊されていたんだ。劇薬を無理矢理投与してね」 「そ、そんな…………!」 「口のきけぬ体にして、ブラックスペルの指揮権も手に入れていたんだ、白蘭サンは」 「…………でもその間、私の魂はずっと遠くへ避難していたので無事でした」 「!!」 「…………分かりました」 ユニは小さく、でもはっきりと呟いた。 「白蘭。では私はミルフィオーレファミリーを脱会します」 「!?」 「沢田綱吉さん、お願いがあります。私を守ってください。…………仲間のおしゃぶりと共に」 「えっ!?」 その言葉が場の空気を凍らせた。それが言い意味か悪い意味かは判断のできるところにないが、少なくとも白蘭は苦虫を擂り潰した様な顔をした。 「…………ユニ、ちゃん」 「ユカさん…………本来のあなたなら、私の言っていることも理解できていたんだと思います。………すいません。私に力があれば今、記憶を戻せたかもしれないのに」 「?」 「私には、辛うじて仲間を救う力。しかも手伝ってもらってそれを成功させるほどしか力が無いのです…………」 ユニは自分の手一杯に収まっているおしゃぶり達をじっと見つめた。すると、色とりどりに輝きだすおしゃぶり達。ツナの額の炎とはまた少し違った幻想的な光だ。 ユカはそんなおしゃぶり達とユニを交互に見た。 この子はなぜか私が記憶を失っていることを知っている。…………私が、この子がミルフィオーレを抜ける理由を知っている?どう言うことだ。何でそんなことを私が知っているんだ。 「白蘭。私はあなたがなぜ私を欲しているか、分かっています。だからこそ、あなたの元には戻れない」 「何を言っているんだい、ユニちゃん」 ユニの表情が少し強ばる。ユニの目線の先に目を向けると、そこには狂気と欲望に苛まれた彼の姿。まるで人間の醜い本性をそのまま彼に写し出しているようだった。 そしてそんな人間の行き着く先は………… 絶望。 [*前へ][次へ#] |