雲珠桜は夏に彩る
白い悪魔の誘引07
「！？何を…………そんなわけ！」
「だって異世界人とか、そんな意味の分かんないもの、普通簡単に受け入れられるわけがない！！」
私は叫んだ。
「もしかして…………私が向こうに、白蘭とかの方に行ったら都合が悪いから？だから友達って言うのも…………？」
…………声が、震える。
「違う！」
「落ち着け、ユカ！」
「だって…………おかしいと思ってたんだ。私みたいな奴にこんな出来た彼氏とか、外国人の友達とか。いつできたんだろうって。ちょっと出来すぎな感じがして」
「ユカ！」
「何言ってんだ、ユカ！」
皆が叫ぶ。だけどユカはもう、何も誰からも聞き入れることが出来なかった。
止まらない。
記憶がない私によくしてくれた皆を疑うなんて事、したくないのに、止められない。思い付くまま口が動く。そして泥沼に嵌まっていく…………。
白蘭は私が落ちていく姿を、大変興味深そうに、面白そうに見ていた。
「ユカ」
「な…………」
雲雀くんが、私の名を呼んだ。だけど私が二の句を次がせない。
「雲雀くんも…………そうでしょ？ごめんね、そんな嘘つかせて」
「煩いよ、黙って」
「………だから不機嫌そうだったんだよね」
「黙れって言ってるでしょ」
「雲雀さん！！」
ツナが外野から雲雀くんにストップをかけようとする。…………今の私はどんな言葉でも悪い方にしか捉えられない。
「わ…………私」
もう何も考えられない、信じれない。ただ、その事実が大きすぎて。自分がここの住人じゃないと言う事実が私を蝕んで。
私はここにいてはいけない。
そう小さく呟けば、周りの人は誰も、口を開くことをしなくなった。…………いや、開けなかった。
何て声をかければいいか分からなくて。
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