雲珠桜は夏に彩る
新たな問題…………?10
「……それじゃあ本題に入るぞ」
「!はい」
「さっさとしてよね」
私はキチンと座り直す。
ディーノさんも、目が真剣なものへと変わった。ディーノさんの口が開くのに合わせて、その場の空気も張っていった……。
「……実はだな。九代目からの言付けがあr『キャアー!!?』………」
…………何、今の。
ディーノはもう一度口を開く。
「九代目は………『おおっと!中にいる人達は無事なのか!?』…………」
何か二つ、切れる音がした。
「うるせええええ!ロマーリオ!今すぐテレビ消せっ!」
「ええっ、ボス、そりゃあねえよ。今事故った車がどうなったかってところでCM入っちまったんだからよ」
「じゃあ二つに一つだ!テレビを消して安全を取るか、そのままCM 開けるのを待って恭弥に咬み殺されるか!どっちだ!?あと、大抵そう言う奴は助かる!」
「おお…………そりゃあ決まってんよ」
ロマーリオさんは手元にあったリモコンに手を伸ばす。すぐにテレビの電源は消えた。
………ってすでに雲雀さんはトンファーを構えてんだけども。
「…………雲雀さん、ここで暴れたらまた長くなりますよ。咬み殺すならまた後でで」
「君も言うようになったね」
「あの人達は大丈夫って分かってますから」
けして黒くなんかありませんよ。ええ、ありませんとも。
まあ冗談はさておき。
私はとにかく興奮しているディーノさんを落ち着かせ話を促した。一つの話をするのにこんなに手間を取っていていいものだろうか?
「さ、ディーノさん。早く教えてください」
「お、おう」
そうだったな、と深呼吸をひとつ。
そんなディーノさんを見て雲雀さんは呆れている。
……まあしょうがないか。
「そう…………それでなんだが」
「確か九代目からの言付けかあるとか?」
「ああ。……ユカは勿論ツナや守護者たちが行方不明になってることは知ってるよな」
「はい、勿論」
私はゆっくり首を縦に振った。
ディーノさんもそれを満足そうに見る。
「俺が日本に来たのはその事を調べるためでもあるんだが…………それ以外に、ユカの保護を受けた」
「私の?」
「ああ」
私は首をかしげた。何故私なんかに。今するべきことは他にもあるはずなのに。
すぐに横で雲雀さんが立ち上がる気配がした。
「くだらない」
「恭弥」
「その人に言っておいて。ユカは……僕がいるから問題ない」
「雲雀さん」
「待てって恭弥!…………はあ、やっぱしそう来るか……」
ディーノさんはすでにくせ毛で跳ねている髪を、更にくしゃくしゃっと掻き回す。雲雀さんは雲雀さんで、全くディーノさん聞く耳を持たなかった。
「今回そういわれたのはちゃんと訳があるんだよ!取り敢えず聞けって」
「やだ」
「それがユカの為なんだよ!」
ピクッ……。
雲雀はその一言で動きを止めた。ディーノもそれを機会にと、言葉を繋げていく。
「今回消えてる奴らのことだが……どうせ恭弥のことだ、調べはついてんだろ?」
「……」
「ここ数日で消えていってるのは8人。リボーン、ツナ、獄寺、山本、ハル、京子、イーピンにランボだ。そして今日……クロームの奴の消息が途絶えた。……これが何を意味してんのか、言わずとも分かるだろ?」
「……クロームまで」
「……」
「これは俺達……いや、ツナに関わってきた奴が消えているんだ。マフィアの問題なら一般人の京子、ハルがいなくなるはずがないんだ」
「……だから何」
「お前だってもうわかってんだろ?……次に消えるのはお前か、了平……いや、これが人為的なものなら……今一番危ないのはユカだ」
その言葉に雲雀は大きく肩を揺らした。
私はそれを見逃さなかった。
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