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雲珠桜は夏に彩る
非常時での日常02








「お…………お疲れ、ユカちゃん」


「おうともよ…………」


「お疲れ、ユカ姉」





ぐったりとした様子でランボを抱えて入ってくるユカ。私の疲れとの代償に、ランボからはもう、異臭も漂ってこない。私の言った通りに従ってくれたお陰か、食堂からも異臭はしてはいなかった。きっと、獄寺が無駄にある脳みそを活用してくれたのだろう。

私は取り敢えず、飴玉を食べてご機嫌となっているランボを近くにいた大人フウ太に預け、空いている席に身を投げ出した。





「はあ…………」


「…………かなり疲れてるみたいだけど、実際は何を?」


「詳しくは聞かない方がいいよ……ただ、」


「ただ?」


「ランボがこんなにうざく思えたのは初めてかも…………」


「「「(何があった…………っ!?)」」」





まさか、ユカの口から『ランボウザい』発言。日頃それなりにランボのことを可愛がっているユカでさえ、そう思える余程のことがあったのだろう。
ツナやその一同は、事件があったと思われる場所から漏れ出ていた会話や叫び声から幅広く想像した。

…………それだけで疲れた気がした。





「ほ、本当にお疲れ…………」


「な、なんかごめんね。ユカ姉」


「いや、フウ太のせいじゃないし…………うん、大丈夫」





あ、ランボの下着は洗って洗濯機の横に置いてるから。
疲れた声でユカは言った。

まさかそんな事までしているとは。
ちゃんと伝えておくところにも隙がない。何だかんだ言っても、ランボをユカに任せておいてよかった。そう思える一同だった。

…………その下着には、できるだけ触れないでおこう。





「皆、晩御飯出来たよー!」


「今日は愛情たっぷりオムライスです!」


「うわ…………美味しそうな匂い」


「ユカちゃんも食べていってね!」


「本当に?やった!」





嬉しいその言葉に、私は疲れて項垂れていた首を上げる。すると、目の前には美味しそうに卵に包まれたオムライスが湯気を立てて置かれた。





「凄っ!美味しそう…………!」


「あれ?雲雀さんはいいの?」


「え…………あ、ああ。さっき用が出来たからいらないんだって。草壁さんから連絡きたからいいの」


「へえ…………何だろ、用事って」





また群れを咬み殺しているのかなあ、と首を傾げるツナ。それを見ながら私は、ツナの口から『雲雀さん』が出てきたことに、肩を揺らした。

私達の事、ツナ達に言うべき?

『晴れて私達、付き合うことになりました』…………って?


どう考えても無理だ。






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あきゅろす。
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