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雲珠桜は夏に彩る
非常時での日常01








「…………何この臭い…………?」


「それが…………ら、ランボがでかい方を…………」


「は!?何でそれ早く言わないの!!ってかそのまま食堂に持ってきちゃ駄目でしょ!」


「ご、ごめん…………」


「ツナ〜!どうにかなったか?」


「ったく、アホ牛が!十代目にお手間を取らすんじゃねえよ!」


「びえええええん!!」


「もう…………!」





なんと言う男達だ。そんなこと言う前にやることぐらいたくさんあるだろうに。と言うか事が発覚した時点で対処してほしいものだ。わざわざトラブルを基地の中まで持ち込まないで頂きたい。

…………と言うか、漏らしてそのままもって帰ってくるのも凄いな。

ツナがおろおろしている間、私が代わりに怒鳴ってやった。






「今からどうにかする所!ほら、ぼさっとしてないで手伝う!人任せにすんな!」


「「「は、はい!」」」


「(…………と、言っても)」






どうにかする所、と言ってもだ。
ユカは泣いて異臭を発しているランボを前にして、一瞬躊躇った。





「(え…………えっと)」





この場合どうすればいいか。それを必死に頭で組み立てる。なんせ子育てなんて自分の経験の中に紛れ込んでいないものだから、知識すらない。それでもある程度頭の中に処理法をまとめると、決心するように自分を奮起させるようにして気合いをいれる。

私も出来た人間ではないので、これからの作業の事を思うとやはり気が滅入るが………ここで名乗りでなければ、カタは付かない。そう思って、ランボに手を伸ばした。





「…………ツナはランボの着替え持ってきて、獄寺は部屋の換気。籠ったらマジで最悪だから」


「ユカ、俺は何すれば良いんだ?」


「山本………は、食事の手伝い!…………ほら、ランボも!男の子でしょ?いつまでも泣かないの!」


「ゔう…………グスッ」


「強い子でしょ?」


「ゔ…………ランボさん、強い子…………」


「よし!じゃあ行くよ!」





ツナからランボを受け取る。手に重みがずっしりと掛かった。
……やはり臭いがすごい。ここにいては、出てくる食欲も失ってしまうというもの。
私は鼻を端みたくなるなる気持ちを抑え、気持ちよく食事を迎えることが出来ることを祈りつつ、ランボと一緒に食堂を後にした。

残った者は、その背中の逞しさに唖然とするばかり。





「…………今、母さん思い出した」


「姉貴より姉貴かかってやがる…………」


「ハハッ、肝っ玉母ちゃんみてえなのな!」


「はひー、流石ユカちゃんです…」


「ユカちゃん凄いね」





感想は人各々。
でも、最終的に思うところは同じであった。






…………結局、誰かの『…………やろう』というと言う声が上がるまで、皆はユカの逞しすぎる背を、ずっと見ていた。





(ちょ…………ランボ!!お願いだから大人しくしてて!アレが飛ぶっ…………)

(ランボさんは無敵なんだもんねーっ!)

(ランボっ!!(マジでやめろ!))

(う…………)







((((…………あのランボを一喝して止めた…………))))






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あきゅろす。
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