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雲珠桜は夏に彩る
今まで隠してきたこと06







雲雀さんはその事を強く追求したそうな顔をしていたが、ツナの声が割り込んでその機会を失わせた。







「…………って、ちょっと待てよ?今、ユカちゃん…………ホワイトスペルに追いかけられて、って言わなかった…………?」


「うん。言ったね。しかも多分、私がこっちにくる原因にもなった」


「ええ!?」







ケロッという私に、皆は驚い…………さっきからこればっかりだ。ここからは、反応は言わずもがな、だろうか。








「けっ、怪我は!?何処も痛くない!?」


「今はね。もう、平気だよ。大体掠り傷程度なんだし」


「…………え?今?」


「そのあと…………色々あって、一回ホワイトスペルに捕まったんだ。それで銃を突き付けられて…………奪おうとして。打たれた。気づいたらあの、幻騎士との戦いの場にいたよ」







今考えたら、結構無茶苦茶だったね、私。
そう言って苦笑を漏らす。苦笑を漏らす事しか、出来なかった。

…………怖くなかった。そう言えば、勿論嘘にはなる。でも、その事実を客観的に見ている自分がいる。あたかも、他人が経験したことを自分で想像しながら語っているみたいな。だから、銃を突きつけられた反応としては、薄い方なんじゃないかと思う。
でも、そうでなければきっと私の精神はもっていない。







「…………」








皆と言えば、開いた口がふさがらない。とはまさにこの事だと思うほど、驚愕していた。

こっちに来てから、ユカに色々と厄介事に巻き込んで申し訳ないと思っていたつもりだった。が、今はその程度じゃ済まされない。下手したら、ユカは命を落としていたのだ。








「…………って事はだ。簡潔にいうとユカは、ホワイトスペルに追いかけられ、捕まり、銃で打たれ、未来に行って幻騎士に捕まり、あの雲針ネズミによる一部ブロックの崩壊に巻き込まれた…………と」


「そう並べて聞かされると壮絶だね………」


「修羅場のオンパレードじゃねぇか」








普通、こんな立て続けに危険な目に会ったりしねえぞ、とリボーンも複雑そうな顔を浮かべる。

……何となく、雲雀さんに目を向けてみた。
雲雀さんはさっきから壁にもたれ掛かっている状態。
最初は、いつもと変わらないな、と思っていたが、何となく違和感を感じる。何でだろうと思ってよくよく見てみれば…………無表情の顔に、少し眉間にシワが寄っていた。








「あと…………ここからが、本題」


「え、まだ何かあるの?」


「うん。……私が、今まで皆に黙ってた事。今日こそは、話したい」


「…………」








皆の顔が真剣になっていく。

……覚悟は出来た。あとは少しの勇気だけ。







「私。私…………実は…………










「…………」






皆の目に、戸惑いが映った。






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あきゅろす。
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