雲珠桜は夏に彩る 狙う者と狙われる者05 「てめえ、白蘭!!!勝手なことを言ってんじゃねぇ!!」 「うむ、勝手に(恭さんの)笠原について語らんで貰おう!」 「白蘭サンは間違ってる!」 「日本は良い所だから…………日本人にも悪い人はそうそういないと思う」 「ユカのこと…………勝手に言わないで」 「…………ふん」 「…………!」 「ユカ、大丈夫か」 隣から声がかかる。視線を皆から下におろすと、心配そうにこちらを見つめているリボーンがいる。 上から…………獄寺、草壁さん、正一さん、スパナ、クローム…………そして雲雀さんとリボーン。皆、白蘭を睨んでいた。 スパナに関してはちゃっかり入ってきている。 「うん…………うん、大丈夫…………!」 気づいたら…………心臓の上に乗っていた重い何かは、綺麗さっぱり取り除かれていた。 仲間ってこんなに温かいものなんだと心から本当に思った。 「ねえ、君」 「雲雀、さん?」 「ん?どうしたの、雲雀クン?♪」 今度は私の斜め前にいた雲雀さんが、一歩前に出る。 「…………ユカは僕の所有物だ。勝手にいろいろ言わないでくれる?」 「…………いつから私が雲雀さんの所有物になったんですか」 「前から」 「…………」 …………皆の言葉で感動してたのがどっか行っちゃったよ。 ツナや獄寺も、何事かというような目でこちらを見ているし…………さっきのあの、シリアスな雰囲気ですら遥か彼方に飛んで行ってしまった。 「……プハッ!」 「?!」 「アハハッ!最高だよ、君達は!こんなにボクを楽しませてくれそうな人…………初めてだ!」 アハハ!!と、お腹を抱えて笑いだす白蘭。 本当に楽しそうに笑うもんだから、さっきまでの狂った姿を一瞬、忘れかけそうになった。 「…………本当はまだまだ君たちと話したいんだけどなあ」 「…………!?」 「そろそろ時間だ♪」 白蘭が何かを確認するように、後ろを振り向く。当然こちらには何もないから…………おそらく、本体のある部屋の物、壁にかかっている時計でも確認したのだろう。 [*前へ][次へ#] |