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雲珠桜は夏に彩る
狙う者と狙われる者








日本同時刻…………メローネ基地にて。








「君達の敵となるのは…………





白蘭サンだ」






そう入江正一から告げられて、落ち着きを何とか取り戻した私達。私たちはあの後、カプセルから出て怪我人を簡易ベットに運び、イタリアでの主力戦の結果をひたすら待ち続けていた。

皆は無事、結果誰一人欠けることもなく、目的に辿り着くことができて、嬉しそうにしていた。勿論雲雀さんは出来るだけ群れないようにしていたし、草壁さんもそれに付き合っていた。
私はと言えば…………さっきの出来事もあり、皆には悪いが盛り上がれる気分ではなかったが、この空気を必死に壊すまいと無理矢理一緒に盛り上げていた。
でも、やっぱりリボーンにはそんな私の心情もお見通しのようで。しばらく向こうで休んでろと然り気無くあの輪から外してくれた。
それはとても助かった。







「…………はあ」







あれから…………まだ少し、私は獄寺とは気まずいまま。ずっと、何であんなことを口走ってしまったのだろうと考え込んでいる。
対して獄寺の方はツナと会えたせいか、さっきのイラつきがなかったかのようにツナ達と盛り上がっている。
目線があったとき、向こうも少し気まずそうな顔をしていたが…………杞憂、なのかも知れない。

私もあんな風に吹っ切ったら楽なのだろうか?でも、思考は思わずマイナス、マイナスへといってしまう。私の悪い癖だ。
考えれば考えるほど煮えたぎってしまう頭は、しばらく収束がつきそうもなかった。

リボーンがハッと息を呑む。







「おい、てめえら。たった今入ってきた情報だが………ザンザスが敵の大将を倒したらしい。敵も撤退し始めたそーだ」


「!!」


「おおっ!」


「ザンザスが…………!」


「ってことは勝利じゃないか!凄い、凄いぞ!予想以上だ!」






良かった…………。






皆が喜びに浸っている中、私は壁際でホッと息をつく。
結果が分かっていても、やはりこの耳できちんと聞くまでは安心できなかった。
流石はザンザスだ。



…………ってあれ?







「もしかして十年後って言うことは………ザンザスも、ヴァリアーも…………」







私は咄嗟に近くにいたリボーンに話し掛ける。






「ねえ、リボーン」


「なんだ、ユカ」


「あのさ…………ここが十年後なら、もしかしてヴァリアーの人達って…………」


「?ああ、当然十才年取っているだろうな」


「…………ワオ」








あの、色気ムンムンの集団に見ることや会えちゃったりすることが出来ちゃうのか。


ヴァリアーのメンバーに会うことができることは嬉しいな、と思ったりしたけど…………逆に自分の事を忘れられてそう、と落ち込む。
あのメンバーなら十分に有りうることだ。
しかも残念なことにその様子がとても容易に想像できる。









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