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みつめてナイト フォローストーリー
第5章 閃光の出会い〜ジーン・ペトロモーラ編〜

ようやくこの国に慣れ始めた5月下旬のこと・・・。
今日も今日とて、はじめの元気な声に起こされる
「ねぇねぇ、そろそろご飯を食べて訓練所に行こうよ!」
「うん・・・わかった、今行くから・・・。」
ふぅ、あいつは元気だ、疲れと言うものを知っているんだろうか?
もしかしたら、あいつと一対一で対戦したら長期戦になった場合にはハジメの方が有利なのかな?
「ねぇねぇ、早く行こうよ!」

いつものようにいつもと同じ道を過ぎると、今日はいつもとは違うことが起きた・・・。
前兆というものはあったのだが、訓練前でリラックスしていた俺はぼぅっとしていたのだろう、後ろから来る馬車に気がつくのに少し遅れてしまった。
乗っている御者が俺に気がついたのか、手綱を素早く扱い進路を変更する。
「そらっ!」
明らかに速度違反の馬車が目の前をすれすれに横切っていく
馬車は少し離れた馬車で急停車すると御者が降り立ち、大声で何か怒鳴りながら山縣とはじめの方への方へ向かってきた。
「おいっ!どこに目を付けて歩いてやがる危なくはねる所だったろ!」
「それはこっちの台詞だ!あんなスピードで後ろから来られたらよけられるわけないだろっ!ここで、そんなにスピードを出してる奴にも悪い部分はあるだろうに!」
「ほう・・・威勢が良いな、お前・・・ま、天下の往来で喧嘩しても仕方がない・・・ここは痛み分けとするか・・・俺はジーンって言うんだお前の名は?」
「俺は山縣有朋、で、こいつが友人の山田ハジメだ。」
「こんにちわ。」
「山縣にハジメか・・・気に入ったぜ機会があったら、また会おう。」
ジーンは馬車へと戻っていった
「うんと、何かとっても元気な女性だったね。」
「まあな、でも御者のような仕事をしているんだから、無理もないんじゃないか?」
「そうかも知れないけど、一瞬優しい目をしてたね。」
ふむ、やっぱりはじめは侮れない。
あの一瞬の表情を見ていたとは、ソフィアちゃんの感情に気がついてない男とは思えないな。
「む〜〜、何か意地悪そうな顔をしてるぅ〜〜。」
ハジメがのぞき込む。
「そうか?まあ、何を考えたのかは秘密だな。」
なおいっそう意地の悪い顔をして走って行く。
「待ってよ〜〜〜一体何なのさ〜〜〜。」

訓練所にて
「おいっ!ゴロツキどもっ!もうすぐスポーツの祭典があるから、それまでにこの国の人々に見せても恥ずかしくない体力を付けておくんだなっ!」
相も変わらず、ヤング大意の言葉は品がない。というより傭兵相手に品を出してもなめられるだけなのだろうが。
「どうする?ハジメ。また目立つ機会だぞっ。」
「最近酷いねっ、そういうことばっかり言うんだから。」
「わかった、わかった、もうなるべく言わないようにするからさ、そうむくれるなよ。」
「まぁ、何か引っかかるけどそういうことにしておくよ。」

帰り道、たまたま(?)ソフィアちゃんに出会う
「今度、スポーツの祭典があるんですけど一緒に行きませんか?」
「うん、行こう行こう。僕ねっ今度の祭典も頑張るんだっ!」
「俺も出なくてはならないのか・・・やれやれ面倒なことにならねばよいが・・・。」

5/31スポーツの祭典当日
「ソフィアちゃ〜〜ん、待ったぁ?」
「お待たせ、ソフィアちゃん。」
「いえ、そんなに待っていませんよ、今来たばかりですから。」
「さて、午前の部の一般参加者による競技の後は騎士団による競技へと移らせていただきます。」
「いよいよだな、ハジメ。何の競技に出るのか決めたのか?」
「うん、まぁね。馬に乗るのは得意だから、『はしってないと』にするよ。」
「俺はハジメとあたるの嫌だから、『もちあげないと』にしようかな?」
はしってないと とは・・・馬に乗って行うチキンレースである。チキンレースがわからない人は各自で調べて下さい。
もちあげないと とは・・・どこからか落ちてくるかわからない(笑)重たいものをひたすら持ち上げ、放り投げるゲームである
「まずは俺の競技の『もちあげないと』からか・・・。」
・・・というわけで、競技は終わった。
なかなかいい成績だったな。
まぁ、あんな重たそうな剣を使っていあるだけあって、力自慢はかなりの数がいたようだった。
ハジメの結果は両手を使わずに馬との息が合うような男なので、崖ぎりぎりに止まることができ、優勝してしまった。
「一生懸命やるんだな、たかが競技なのに。」
「そうかなぁ?僕は何事にも一生懸命にやる事にしているんだ。」
「ハジメさん凄いです!優勝するなんて!私、感動しました。」
「うん、僕頑張ったからね。」
「まぁ、誰のために頑張ったかは知らないけどさ。」
じ〜〜〜っとした目でハジメに睨まれた。そういえばさっきあまり言わないと言ったばかりだった。
「とまあ、ハジメが優勝したわけだし、その賞金で夕食でも食べに行きますか?」
「えぇ、良いですね、おごってもらいましょうか?」
「僕がなんにも言ってないのに、勝手に2人だけで決めないでよ。」
はははははっと笑いながら結局、ハジメのおごりで美味しい夕食を食べることとなった。

退屈な日常。傭兵となってからいまだに戦争も起こらず無為に時間を食いつぶしていく・・・。
「こんな事で永住権などとれるのだろうか?」
少し疑心暗鬼にならぬでもない。
休日に町をぶらぶらしていると、不意に声を掛けられた。
「よお、あんたか。珍しいなこんな場所で会うなんて。」
ふと気がつくと馬車の駅に来ていた。
「ええと、ジーンさんだったね。」
「なんだかこそばゆいな、”ジーン”で良いよ。」
「そうか、それならこれからはそう呼ばさせてもらうよ」
「そうそう、もうすぐ夏至祭ってのがあるんだが、あんた知ってるかい?」
「いや、知らないなぁ?夏祭りみたいなものかい?」
「そうだな、そんなところだ。弱くなる太陽の光の輝きを増すためにかがり火を焚くのさ、山に火を放ち王家の紋章を浮かび上がらせる結構なお祭りさ。まぁ、今ではたいていカップルが恋愛占いで、大騒ぎするだけってみたいなんだがな。

宿舎にて
「おい、ハジメ。もうすぐ夏至祭ってのがあるらしいんだが・・・。」
「それがもう困っちゃってさ。ソフィアちゃんがどうしても僕とふたりっきりで行きたいって・・・。」
「ほぅ、それはよかったじゃないか。こんなに早くこの国になじめちゃってさ。」
「あんまりからかうと本当に怒るからね!」
「はいはい、ではふたりっきりで頑張って来いよ」
と言うと、ハジメはプーッとふくれっ面して部屋を出ていった。

夏至祭当日
「本当に無理を言ってしまってごめんなさい。今日はどうしてもふたりっきりで来たかったんです。」
「うん、まぁいいよ。今日だけは1人で行動したかったんだ。」
「何かあったんですか?」
「別に大したことじゃないけど。(最近からかってばっかりなんだもん)」
「仲良くして下さいね。なんだかとっても良いコンビですよ。」
「ありがとうね。」
夜店を見ながらてくてく歩いていくと、あるテントの前でソフィアちゃんが立ち止まった。
「ここ、有名な占い師さんなんですよ。」
「なんじゃ、一人一人の恋愛について占いたいんじゃな。」
「ええ、そうなんです。よろしくお願いします。」
「ソナタの運命の人を映し出して見せましょうか・・・ダレス・・・ギメル・・・・・・ベス・・・・・・アレフ・・・・・・。」
水晶玉にソフィアちゃんの顔が浮かんだ
「今見た真実を相手に言ってはなりませぬぞ・・・。」
「???」
怪訝そうな顔をしながら、ハジメが出てきた。ソフィアちゃんもかなり嫌そうな顔をしている。
「どうだったの?結果が嫌だったの?」
「ええ、結局占いですからね。」
「でもね、ソフィアちゃんの思い通りになるように頑張ってやっていくのが一番だと思うな。」
「ええ、ありがとうございます。そうですね頑張ってみようと思います。」
にこやかにソフィアは帰っていった。

とまぁ、こんな感じであったらしい・・・。この恋実るや実ざるや、一体どうなることやら。
連載第5話です。わ〜〜い(=*^^*=) ジーンだあ♪・・・おっとと 浮かれてしまいましたあ(^^;しかし、「夏至祭」にそんな由来があったとは・・・知りませんでした。うん! このSSは「みつナイ」世界の水先案内人の役割もあるのね〜〜いよいよ 次回は、「イリハ会戦」!あぁ、クレアさんが・・・(泣き)作者の萌えの方もでてくる日も遠くないですね〜(謎爆)

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