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みつめてナイト フォローストーリー
初めてのクリスマス 後編 〜ラストダンス〜 3

2人の所へ戻る道すがら。
目の端に異形の男が立っていた。
何やら中空に向かって会話をしている様だ。
「劉青、その姿でどうやって入れたんだ。」
「・・・前回の功績。」
仏頂面で返事をする。
どうやら、会話を中断された事を怒っているかのようだ。
「そうだ、1つだけ言っておく、マナーと容姿に気をつけろ。」
「・・・何故だ。」
「貴様がスーの事を少しでも大事に思うならな。」
相手が何も答えないので話を続ける。
「剣技や馬術のみが人間には必要な訳ではない。」
「・・・そうか、忠告感謝する。」
スーの名前を出した効果なのか、劉青はこっちが拍子抜けするくらい素直だった。
劉青はそう言うと俺に背を向け、何やらぶつぶつ独り言を話し始めた。
ちょっと不思議に思いながらも劉青の前から立ち去った。


何とか旨い酒を見つけて戻って来てみると、2階のバルコニーが騒がしくなった。
プリシラが最後の挨拶をする。
「今夜は常の忙しさを忘れて、最後まで楽しんでいって下さい。」
これで公務は終りなのか、プリシラの顔が少し弛んでいた。
そしてオーケストラの演奏が再開される。
そろそろラストダンスの様だ。
もちろん、ラストダンスを男3人で迎える。
そんな事をしたくなかったのでせっかく集ったものの別行動をとる事にした。



最後の曲が流れ始めた時、目の前にいた女性はライズであった。
「貴方で良かったわ」
「そうだな、俺もそう思う。」
「知らない相手よりマシと言うだけよ。」
かなりそっけない会話ではあったが、柔らかい雰囲気に包まれていた。
これがラストダンス効果だと言うなら信じてしまいたくなるほどに。

あちこちで似たような会話がかわされる。
「あ・・・、よかった・・・貴方とで・・・。」
「ソフィアちゃんなんだね、ラストダンスの相手って。」
嬉しそうに踊るソフィアに、楽しそうに踊るハジメ。
本当ならばどこからみてもカップルになるはずなのだが。
ハジメは心ここにあらずで踊っていた。
楽しい雰囲気につられてはいたのだが。

「お前が相手とはな、結構ツイているのかもな。」
「はっはっはっは、相手がジーンとは幸運にも程がある。」
お世辞にもさくやはダンスが上手くない。
「来年までには上達しておくよ。」
「ああ、来年もラストダンスできればな。」
意地悪くジーンが言うと、
「何が何でもラストダンスを踊ってみせるさ。」
(見つめ続けてやるから、安心しろ)
心の中に自分しか覚えていない約束を呟きながら。

「一緒に踊れて嬉しいわ。」
「・・・俺も。」
さっきまで見せていた爆発的な怒りを見せない。
完璧な所作でスーはダンスを踊る。
劉青と言えば・・・スーの足を踏まない様にするのが精一杯であった。

紳士的にダンスをリードし続けるエミリオに、心ならずもクレアはうっとりとしてしまった。
「良かったわ、貴方がパートナーで」
言われた方もびっくりしたのだが、言った方もびっくりしていた。
「もちろんわたくしめもクレアさんがパートナーで・・・。」
「話を聞いていたら、ダンスが終わってしまうわ。さあ何も言わずに、踊りましょう。」
周りが見とれるほどそれは素晴らしいダンスであった。

人々が帰路につき始め、それまで煌々としていた王宮の灯が落ちる。
パーティはつつがなく終了した。
東洋人傭兵達は意気揚々と自室に戻り、今日の思い出を胸に眠りに落ちた。
甘い、甘い夢を・・・。







お待たせしました(^^)/ 第19章です。
今回は1年に1度のメインイベント クリスマスダンスです☆(←違っ)
わ〜〜い ジーンとダンスだ(ぽ〜〜〜〜〜〜(*^^*/)
久々に劉青も登場です。
 初のオールキャスト♪ 今まで登場したキャラ全員集合!
賑やかです〜〜 クリスマスぽくていいですね☆
・・・でも 密かに何か謀略の匂いも・・・
それにしても、さくやが来国してから まだ戦争が無いんですよね〜
どんな 活躍するのか 今から楽しみですぅ (あ!劉青もか(^^;<未戦)
 次は、ゲームではなかなか さくやはジーンが来てもらえない(泣) シルベスターです♪
どうやら、動き出したエミリオさんとライズ、そして山懸。
 そして、さくやはジーンと新年を迎えられるのか!?(爆)
こう 御期待です〜〜〜〜〜(^^)/





追記:ケータイサイトへ掲載するにあたり、PC版の18、19話をまとめました〜
 次の19章は年末の2大イベントの一つシルベスターです。
 (2007/11/25 小鳥遊さくや)

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