無性の生き物・ギンブナ編 ギンブナ 【雌性発生】 ・ほとんどがメス ・無性生殖の一種、雌性発生をする。 無性生殖ではメスがクローンの子供を作るが、 雌性発生では近縁種のキンブナ等のオスの精子が発生を開始するのに必要。 単為生殖であるにも関わらず必要事であり、 その遺伝子は受精に使われないのは何故か? 「卵子に刺激を与えるため」 ギンブナのメスが産卵するとフェロモンを出す。 このフェロモンに引き寄せられたオスが放精し、 ギンブナの卵子に侵入しようとする。 ところが、卵子は精子をはね返す。 よっておたがいが受精することはないが、 精子が卵子をツンツンする刺激で擬似受精し、細胞分裂が始まる。 精子が卵子を小突くことで産まれる。 まさに“こづくり” ・オスの精子は発生の刺激となるだけで、遺伝的に貢献しない。 繁殖期(4月〜6月)になると浅瀬の水草等に産卵するが、 その際には同所的に生息している有性生殖を行なうフナ類(キンブナ・ナガブナ・ニゴロブナ等)のオスと繁殖行動を行ない、精子を得る。 野外においてコイ・ドジョウ・ウグイなど、コイ科の他種とギンブナが繁殖行動するというのは風説であり、繁殖生態や生理的な機序の違いからほとんど可能性はない。 ただし、実験室で人工的にコイ科の精子でギンブナの卵の発生を開始させることはできる。 【共存の不思議】 無性生殖個体(ギンブナ)はメスしか生まない為、有性生殖個体(キンブナ等)と比べるとオスを作らない分だけ増殖率が高い(有性生殖のコスト)。 一方、雌性発生では有性生殖のオスが繁殖に必要であるから、性以外の条件が同一であれば、有性型と無性型のフナは共存できない。 無性型のメスの数が増えるとともにオスが足りなくなり、両者ともに滅びるはずだが、フナ類は不思議なことに日本中ほとんどの場所で無性型と有性型が同所的に共存している。 ギンブナは生殖に精子が必要だけど 精子の中の遺伝情報は必要ないってことか 卵割を開始させる刺激だけでいいようだ 雄が相対的に少ないけど他の魚の精子から 刺激を受けるだけで卵が成長できるってすごい 【ギンブナ卵の発生誘発】 ギンブナには2種類あり、 ♂♀で繁殖する本来のと、 突然変異で単為生殖 するタイプがあり、 単為生殖するのが圧倒的に繁殖しているので、ギンブナ は(全部)単為生殖だと思われているだけ。 日本のどこかにひっそりと両性で繁殖するのがいるらしい。 関東では本当に♀100%。 [*前へ][次へ#] [戻る] |