君の声。 10 『時々、このヒロさんから送られてくる手紙につい続きが気になったりします。しかも、ヒロさんに宛てた他のリスナーからの応援メッセージなんかも来てるんで、少し読みます。』 佐渡は次々とヒロに宛てたメッセージを読み上げていく。 みんなの優しい言葉に、ラジオの前で聴いていたツグミは自然と涙がこぼれ落ちた。 ラジオは次のコーナーへと移っていて、ツグミは感激しながらラジオを最後まで聴いていた。 しばらく特に変わらない日々を送り、ツグミはいつものように生活していた。 お昼休み、いつもこの時間は放送部による校内放送が流される。 学校の連絡事項をお知らせしたり、音楽を流したりする。 週に一度、放送部員が特集を組んで何かをする。 ツグミはいつものように八尾たちと弁当を食べていた。 『ー今日の特集は、こんな人を呼んでいます』 部員がテンションも高めに始めた特集。 『皆さんこんにちは、佐渡奏太です』 聞き慣れた声にツグミはドキッとし、箸を止めた。 『佐渡くんは、実は彼の地元でラジオ番組をやっているんですよ!すごいですよね。』 『そんな大袈裟なことじゃないけどね』 苦笑する佐渡。 [*前へ][次へ#] [戻る] |