THANKS
よん。
「ちょ…依月ッッ!」
耐えられない。そんな表情を見せる茱吏は、俺に必死の抵抗を見せるが…
「ねー、茱吏。拓兄にいいもん貰ったんだ。…使ってみない?」
「…なに?」
と、見せたのは。
「………ひも?」
「今日うちに届いた。縛っても痕がつかねーんだよ。智ちゃんも縛られたんだって。」
茱吏は怪訝そうに紐を見つめる。
当然か。縛られるのは茱吏だもんな。
「…拓真さん、こーゆう趣味あんのか?」
「さぁ?普通だとか言ってるけど。……でもいいらしいぜ?」
ふーん。…と紐を手に取って引っ張る茱吏。
興味が沸いたのか、出所が拓兄って聞いて安心したのか。さっきより真剣に紐を見てる気がした。
ここで拒否られたら来た意味がない。
俺は茱吏の反応をただひたすら待った。
「…で、お前はこれで俺を縛りたいのか?」
「拓兄がいいってゆーし。いつもみたいに普通にするなら…刺激的でいいかな?って。」
「これでどこ縛るんだよ。俺した事ないから知らないぞ?」
無難に手?…甘い?
拓兄に聞けばよかった。
てゆーか。茱吏が縛るとかゆーセックスしてたら、俺がカルチャーショックだ。
とか考えていれば。
「手が動かないっていいのかな。依月、ちょっと縛れよ。」
茱吏が身体を起こして、紐を突き出してきた。
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