THANKS
C‐志信SIDE


ぶつかってしまった子は、少し赤い顔で俺を見ていた。
とても整った顔は可愛さと綺麗さを併せ持っていて、意志の強そうな瞳がキリリとしている。

「どこか痛くない?」

問いかけていると、俺の後ろから慌てたような声。

「志信は?志信は大丈夫?」

もう、然ってば…。
普通、こういうときは身内は後回しだろ。

…優先してくれるのはすごく嬉しいけどね。

「あ、僕は大丈夫です!あの、アナタは…」
「俺も大丈夫だよ、びっくりしただけ。」

身長は同じくらいだけど、初々しい印象。

「その制服、白草学園の生徒かな?」
「わっ、そーですっ。」

返事をしてくれたのは、ぶつかった子とは別の子。
キラキラした興味津々なその目は、なんだか然と通じるものが。

…かわいらしいな。

「俺らはね、高徳学園v」

微笑ましく見ていると、然が持ち前の懐っこさで自己紹介を始めた。

俺がぶつかってしまった子が、春日部くん。
然よりも少し背が高く、端正な顔立ちの柊くん。
にこにこ可愛い笑顔で天然そう(ゴメンね)なのが芹沢くん。

みんな1年生だそうだ。

なんだか楽しそうな3人組。



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