THANKS
B‐弘樹SIDE
ビックリした!
何がって…面白がって祐一郎をいじってたらイキナリ人にぶつかって…。
一緒に座り込んじゃってるその人を見てまた更にビックリ!
線の細い、キレイな人だった。
この手の美人は久遠くらいかと思ってたけど…世の中にはまだまだ色んな人がいるんだなぁ…って、普通にみとれてしまう。
「弘樹?おーい?」
呆然としてる僕の目の前にはやたらと近い祐一郎の顔。
あまりの近さに慌てて立ち上がった僕にむくれたような顔をしながらも…祐一郎は未だにしゃがみ込んでる相手の人に手を差し出した。
でも彼は、もう一本出されていた連れらしき人の手を握ってゆっくりと立ち上がって。
「ごめん、ケガはない?」
カタチの良い唇から零れたのは染み渡るような落ち着いた声。
「あ、コッチこそゴメンナサイ!」
ペコリと頭を下げると同時に少し屈んだその人が…僕のズボンの汚れをポンポンとはたき落としてくれた。
「あ、あのっ…」
やんわりと笑った顔に…心底ドキッとした。
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