THANKS
に。
『どうした?』
「ん?あのさ…」
機械を通した愛しい人の声は、紐で拘束されて、哀願する幻影を勝手に作り上げる。
『何?俺今宿題してんだけど。明日当たるから。』
「ねー、宿題教えてよ。茱吏ん家行くから。」
『お前さぁ、写さしての間違いだろ?』
――いや、ヤらしての間違いだ。
もっと正確に言えば縛らせての間違い?
んな細かい事はどーでもいい。縛って鳴かせたい。それだけだ。
――言っておくが、愛故の願望だからな。
茱吏はしばらく悩んで、それから宿題を一緒にやる事を承諾してくれた。
『今日は宿題以外はしないからな。わかった?』
「さぁ…我慢できれば。茱吏次第じゃない?」
我慢なんかする気更々ないくせに。
心の中で笑う。
頭の中では、縛られたまま俺のを中に受け入れて、快感に泣き叫ぶ茱吏がいる。
ここまで来ると、流石に俺がおかしいような気になるのだが、茱吏に陥落したあの日から、それは妄想の域を飛び越えてしまっている事に気がついた。
俺っち、茱吏ちゃんがすっげー好きなんだわ。
拓兄もさ…おんなじなんかな。
茱吏の家まで歩いて20分。俺は周到に準備はせずに、宿題と紐だけをもって向かう。
出迎えた茱吏は風呂上がりらしく、黒いスエット姿だった。
「よぅ…」
「入れば?」
茱吏に促されて、何度も来た茱吏宅へ上がった。
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