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@‐柊SIDE
秋も深まる今日この頃。
愛しい弘樹と"天然"と書いて"芹沢"と読むヤツと共に地元から少し離れた所にある、とある場所にやってきた。
「…へぇ?」
「おー…噂通りだね?」
「なんかイイ匂いがする!」
俺達がやって来たのは『ここらで有名な、面白い文化祭をする学校』。
ウチの学校は体育祭と文化祭が一年毎に入れ替わるシステムらしく、今年が体育祭だったんで文化祭は来年。
なのに…仕事熱心な我らがクラス委員長殿は、その来年の為に「この学校の文化祭を見てみたい。」そう言い出して…今に至る、と言う訳。
しかし…そのヤツはまだ到着していないようだ。
「あー!イイ匂いの正体はたこ焼きだよ!」
「あ、ホントだ!祐一郎、五百円ちょうだい!」
「はっ!?」
呆然とする俺のケツをスッと触りながら、弘樹の手が制服のズボンの後ろポケットから俺の財布を抜き取った。
「なっ…!ドロボー!」
「すいません。たこ焼き一つ下さい!」
「柊ぃー!ゴチソウサマ!」
屋台に張り付いたやつらが俺の財布から貴重な札を抜きだした。
「…人でなし。」
「ごち!祐一郎!」
「ありがとー柊っ!」
…絶句。
でも…まぁ、喜んでるみたいだからいいか。
小さくため息を吐きフッと笑って弘樹に右手を差し出す。
「…なに?」
「財布、返せよ。」
ニヤッと笑った弘樹が俺の財布をチラ付かせながら二、三歩下がって…あっ!
「ひろ!危なっ…」
ドンッ!
下がった拍子に、後ろから歩いて来た人と弘樹が盛大にぶつかっちまった。
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