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J



翌朝…。

だるい身体を引きずりベッドから這い出した。

脱ぎ捨てられた下着を拾い、アンダーウェアに袖を通す。

「…エロっぽいカッコ。」

声に振り向くと…ベッドに横になったまま俺を見つめる拓真と目が合う。

「せっかくだから…も一度脱いで。」

「…ばか。」

背中を向けていそいそ着替えてると、拓真も渋々起き上がり着替え始める。

そして、触れるだけのキスをして一緒に部屋を出た。

ドアを開けると暖かい空気が足元をくすぐる。

二人が先にストーブつけてくれてたみたいで部屋が暖かい。

その真ん中のストーブの前には依月くんと茱吏くんが寄り添って座ってて…
…ホント仲良いな。

夕べの事もあって…ムチャクチャ恥ずかしいけど、その背中に

「おはよ。」

と声を掛けると…二人は幸せそうに笑って答えてくれた。

「…あれ?」

一緒に居たハズの拓真の姿が消えた。

「コーヒーねぇかなぁ。」

貯蔵庫らしいトコをガサガサとあさりながら…マイペース王子様な拓真が笑った。



昨日の吹雪が嘘のような晴天の下。
外に出てなんだか拍子抜けする。

だって…

眼下に広がる、ちょっとキツめのルートを下った少し先にはリフトの乗り口。
更にその奥に行けばレンタルショップが。

まぁ…あれだけの吹雪だったからな。

そんな訳で…。
覚えたばかりの、楽しいボードをしながら…何とか帰路に着いた。


レンタルショップで着替えして…二人と荷物を連れて俺達が泊まってる旅館に戻った。

拓真があのプチ遭難の話を旅館のお偉いさんとしてる間、依月くんと茱吏くんにお風呂を勧めて…俺は土産屋さんに向かった。

スノボに行くって言っちゃったからな。
ヤツラに何か買わないと…と物色してる所に拓真が来て。

「こってり絞られた!」

とウンザリ顔で言った。

帰って来ない俺達を探す為…の捜索隊の準備やらで夕べはここも大騒ぎだったらしい。

未成年だから…とその費用の請求は無かったけど「普通に払ってきた」らしい拓真が。

「金の心配はすんなよ。」

そう言って笑った。



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