THANKS
I
「…っく!あっ!」
冷たいシーツに俯せにされて…上に覆い被さった拓真が休む間もなく俺のナカを突き上げる。
いつもと違い…今夜の拓真は…荒れてる、気がする。
「…声…出せって。」
「ん……はぁ…ッ」
なんか…ヘン。
いつもより強引だし…
全然優しくないし…
キス、してくれないし。
「…たく…ヤダ…。」
「…なにが?」
グッと奥を突き上げられ、気持ち良さに腰がのけ反る。
「ぁ…たく…っ…」
ただ名前を呼ぶしか出来なくて…拓真の背中の代わりに、枕をギュッと抱き締めた。
「ん…イ…クッ…!」
我慢出来ず…無機質なシーツの上で限界をむかえた。
踏ん張ってた腕から力が抜けて…俺はベッドに倒れ込む。
「…まだだ。」
腕を掴まれ、繋がったまま仰向かされた。
見上げた拓真は…怒ったような顔してて…
それでも抱き締めて欲しくて手を伸ばした。
「た…く…キス…して?」
一瞬…。
驚いた顔した拓真の顔が緩み…俺をギュッと抱き締めると、唇にいつもの優しいキスをしてくれた。
唇が離れて見つめ合い…も一度触れた。
「…ゴメン…乱暴だったな…。」
「…ホントだよ。」
背中に回された拓真の手はやっぱり暖かい。
その肩に唇を寄せて目を閉じる。
「でもイッちゃったじゃん?」
頬にキスしながらそんな事言って…耳たぶを噛んでくる。
「…しょうがないでしょ…。」
「じゃあさ。」
首筋を舐められて身体がざわつく。
「…さっきのは…イヤだった?気持ち良かった?」
…二択?
しかも…答えを分かってるクセに!
「…どっち?」
真っ直ぐ見つめる瞳に勝てる訳ない。
乾く唇を開き…
「…キモチ…良かった。」
顔が熱い。
…サディストめ!
「…智!…可愛い!」
ギュッと抱き締められ、止まってた拓真の腰が急に動き出す。
「あぁッ!」
不意を突かれた俺は…デカい声を出してしまい慌てて口を塞いだ。
「だから…。」
口に当てた手を外されベッドに押し付けられ…突き上げられる気持ち良さに身体が震え、息が上がる。
「声、出せっての。」
なんで…そんなに声にこだわるんだろ…?
声なんて出さなくても…拓真とするセックスは、メチャクチャ気持ちイイのに。
「…ぅッ…た…く…!」
強く揺さぶられながらされる愛撫は…ものスゴく濃厚。
拓真に触れられるだけで全身が性感帯になったみたいに…感じる。
「智…お前のコレ…ピンクで可愛いよ。」
親指と人差し指で弄られるだけなのに…そんな事言うから、恥ずかしくて尚更感じる。
「ば…か…!」
見下ろした胸元の突起は…拓真に愛されて一層濃いピンク色に変わった。
「智…エロいキスして?」
なんだそれ…?
唇が重なりついばむように動く。
拓真の本気モードのキスは…クセになる程キモチイイ。
高まってくオレと共に、拓真のアレもオレのナカでデカくなって…。
気持ち良過ぎ!
「…もぅ…イキそ…ぅ!」
弱音を吐く俺の耳に舌を入れながら…
「…一緒に…イこっか…。」
そう言いラストスパートをかける。
イイ所を突き上げられ、意識が飛ぶ。
「たくッ…!イ…ク…ッ!」
ギュッと拓真にしがみ付き俺は体の間でイき…同時にオレのナカで拓真がイッた。
荒い息を整え黙ったまま抱き合う。
これも…いつもの儀式。
静かに余韻に浸る。
…と…?
微かに聞こえてくる…
切なげに上がる…茱吏くんの…声?
艶っぽくて…熱い。
「色っぽい声…。」
なんて…思ってると。
「智も負けてないよ。」
…そうなんだ?
初めて知った!
シテル時は…夢中だから…な…。
「…よし、ヤるぞ智!」
「え……はっ!?」
いきなり…ですか!?
入れたままの拓真のが少しずつ大きくなる。
「んっ…ぁ…!」
優しく俺を抱く腕にすがり喉を反らす。
首筋に降りた唇の柔らかさに震え、拓真の首にギュッとしがみ付いた。
「依月には負けねぇ。」
…そう言う事か。
全く!
何を競ってるんだか。
拓真のアレが、オレのナカ一杯にまで大きくなり…。
「…智…ココ、イイんだろ?」
…堪らなくて、何度も声を上げる。
そうして…夜が明けるまで抱き合った。
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