THANKS
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「……ごめんなさい、イジメすぎちゃいましたね。でも……」

抱きしめていた腕が俺の手を優しく取り、自身の下肢へと持って行かせる。

「…………っ!?」

「俺のここ、こんなに先輩を求めてる。欲しがってるのは俺だって一緒です」

言葉通り、慶介のそこはビックリするくらい熱くて硬くて、大きくなっていた。


「だから、先輩。恥ずかしがらないで……」

慶介の優しい声音が降ってくる。

何だよ、結局慶介には全部お見通しかよ。

……何だか嬉しいような、ムカつくような。


それでも込み上げてくる愛しさを抑えきれずに、今度こそ慶介に向き直って自分からその身体に抱きついた。

「……慶介の、アホ……」

「…………うん」

何だか急に心が暖かさで染まっていくみたいだった。


「ね、先輩。このまま挿れていい?」

今度は俺が返事をする番だったけれど、熱くなった顔で小さく頷くのがやっとだった。

もう一度、ギュゥッと抱き締められて見つめられて、長い長いキスをした。

キスに酔って頭の中が濁り出している間に、慶介は俺の足元のものは引き抜き、自身の前をくつろがす。

そうして、俺の膝を持ち上げて壁に背中を預けさせると、熱が宛がわれた。

「キツかったら、言ってくださいね」

もう一度頷いたとたん、俺は慶介のそれに貫かれていた。


「――あぁァ……ッ!!」

俺自身の重みが加わって、慶介の熱は奥深くまで一気に到達する。

待ちわびていたそれに身体が喜ぶ一方で、いきなりの強い衝撃に頭の中が白く染まり始めていた。


間も置かないまま、今度は膝と臀部を支えられながら身体を揺すぶられる。

「……んはっ、……んん、は……ぁ」

持ち上げられた身体では慶介にすがるしかなくて、俺は必至に慶介の首に腕をまわした。

「っ……、先輩……っ」

「……あ、あ、あぁ……っ」

慶介の余裕を無くして掠れた声に余計に煽られて、触られてもいない中心が痛いほど張り詰めていた。

壁と慶介に挟まれた状態というムリな体制に身体が軋み始めるものの、甘い波はそれを打ち消す。

「先、輩……大丈夫、ですか……?」

濁った世界ではもう、何も考えられずに俺はただ何回も頷く。


ふいに、抜きそうになるギリギリまで腰を引かれて、不思議に思っていると。

「……っ?……んはあぁっ!!」

一気に奥まで抉られて、その声はもう止められなかった。

「……はぁ、ぁ……んっ……」

追い打ち、とばかりにより一層強く、穿ち始められる。

激しさを増した突き上げに、追い詰められる。


もう、限界だった。


「けぇ、すけ……っ、んぁ……け……」

「いいよ、先輩……」

「ん……っ」


本当は恥ずかしくってたまらなかったけれど。

――きっと、雨の音がすべてを消し去ってくれるから。


だから、今日は我慢しなくてもいいよな?


「――はぁ、っ……ん、あァァ……――っ!!」

恥も何もかもを捨てて、俺は感じるままに高い声を上げた。


自身の腹が濡れる感覚と、奥底に注がれる慶介の熱い迸りを感じながら、

慶介の逞しい身体にぐったりともたれかかったのだった。



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あきゅろす。
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