THANKS
なな。
しばらく動かなかった腕を開放すると、茱吏が目を開けた。
「あ、ホントだ。ちょっと痛かったけどマジで痕がないな。」
「茱吏大丈夫か?声ガラガラだよ。」
茱吏から発せられた声はまるで、応援合戦の後みたいに掠れている。
鳴かせすぎたかな。
当の本人は声よりも腕を気にしてるみたいだけど。
「拓にぃに感謝だな。」
「もう要らないけどね。毎度毎度あんなセックスしてたら…マジ身体がもたねぇよ。」
咳込む茱吏は身体を起こして、俺にキスしてきた。
智ちゃん、毎日だもんな。茱吏は毎回あんなセックスかと心配していたが、改めて拓にぃの凄さに感銘を受けてしまった。
俺、多分今ので明日の分も出たぞ?
それが毎日毎回…。まだまだ俺はガキだなと、ちょっと凹む。
「智ちゃんが気の毒だな。絶倫拓にぃと毎日だもんなぁ。」
「…だな。拓真さんが彼氏だと依月ん時みたいにわがままも言えねぇっぽい。」
そう言って、二人でじゃれながら笑った。
「俺、縛られるの嫌いじゃねーけど…依月に抱き着けないのが嫌だ。」
「あ、物足りないって思ったら…それか。」
「俺にしかわからないだろうよ。この切なさはな。」
茱吏はそう言い放って、再び風呂に行ってしまった。
なんか、悪い事したかな。なんて心配していれば。
「…入るんじゃねーのかよ。早く来い。」
茱吏に手を引かれて、結局俺は風呂で明後日の分も吐き出した。
‐END‐
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