SCROMBLE
名前
「つか、慣れなれしく『君』『君』言うな!!」
俺は先ほどから思っていたことを、我慢できずに口にした。
「へ?」
手島は、俺の突拍子も無い言葉に混乱したのか、間の抜けた声を出した。
「じ、じゃあ、何て呼べば良いんだ?」
「普通に君屋でいい。つーか、呼ぶな。」
「(そんな名前だったのか・・・。)」
手島は海外から帰ってきたばかりで、生徒の名前をあまり覚えていなかった。
その上、男子生徒に嫌われている手島は、男子とあまり会話したことがなかった。
俺は手島の顔を見て、馴れ馴れしく呼んでいたのではなく、自分の名前が分からなかったのだと理解した。
同時に、女の名前しか覚えてないんだろうなとも思った。
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