[携帯モード] [URL送信]

SCROMBLE
名前

「つか、慣れなれしく『君』『君』言うな!!」

 俺は先ほどから思っていたことを、我慢できずに口にした。

「へ?」

 手島は、俺の突拍子も無い言葉に混乱したのか、間の抜けた声を出した。

「じ、じゃあ、何て呼べば良いんだ?」

「普通に君屋でいい。つーか、呼ぶな。」

「(そんな名前だったのか・・・。)」

 手島は海外から帰ってきたばかりで、生徒の名前をあまり覚えていなかった。
その上、男子生徒に嫌われている手島は、男子とあまり会話したことがなかった。

 俺は手島の顔を見て、馴れ馴れしく呼んでいたのではなく、自分の名前が分からなかったのだと理解した。
同時に、女の名前しか覚えてないんだろうなとも思った。



[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!