小説 序章 ――この世界は歪んでいる。 何故なら、季節は夏のはずなのに肌寒い。そして、もう何年も太陽の光がでていないからだ。 だが、元々この世界は歪んでいた… 俺は、この世界で有名な魔法学校に通っている。 成績もまあまあで、それなりに人付き合いも良いし、上手くやってる。 「ウル先輩!」 「ん?…ヒュウガか。」 放課後、一人教室でボーとしていた所に一つ年下のヒュウガが現れた。 「一緒に帰りませんか?」 ヒュウガは俺より背が高いため、俺を見下ろす形で尋ねてきた。 相変わらず、笑顔が眩しい。 「あー、しょうがねぇな。」 そう、俺が答えると。ヒュウガは、嬉しそうに微笑む。 そして、肩を並べて歩き始めた時、小さい男か女かわからない奴が飛び出してきた。 「ウル君!僕も混ぜて〜」 「あ?」 目をキラキラ輝かせて言ってきたこいつは、俺の一つ年上のリオだ。 いつも俺に引っ付いてくるから、正直うざい。 「ウル君…そんな睨まないで…?」 そう言いながらも、少し嬉しそうなリオ。 「……。ヒュウガ、行くぞ。」 ぐいっとヒュウガの腕を引っ張り、速歩きで歩き始める。 「え、先輩!無視したら、可哀相っすよ!」 「煩い。」 俺は、小さく舌打ちをする。 後ろから、「待って〜」とか聞こえるが無視だ。 ――あー、早く…スゥとフゥに会いたい。 [次へ#] [戻る] |