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彼は吸血鬼


 


彼は吸血鬼





「・・・・なんでお前がいるんだ?」
ロイは頭に怒りマークを浮かべながら、着替えようとしていた途中なのか、上半身裸で右手には服らしきものが、左手には大きな十字架が握られていた。

そして、その言葉を向けられた本人はというと、
「ん?そりゃぁ愛の力で。それに、お前じゃなくてエドv、だろ?」
ロイの怒りをもろともせずにけたけたと笑っていた。
その姿は無邪気で、どこからどう見ても子供であった。
が、しかしそのエドは普通の子供とは大きく違っていた。
真っ黒な、夜の闇を連想させるその身体には少し大きめのマントを纏い、その下の服も真っ黒な革のような物であった。
そして、大きく違うのはその口元から覗く鋭い犬歯。
通常の人間ならばそこまで犬歯は成長しない。

そう、その少年は人間ではなかった。
人の生き血を吸う魔物、吸血鬼と呼ばれる存在。

それならば、エドという吸血鬼が生き血を吸うためにロイの元へ来たというなら話は合う。
しかし、そのロイは町の大きな教会の神父である。
対敵であるはずの二人が、しかもわざわざ祓われる側からやって来たというおかしな状況でもあった。

「もう一度言うぞ、何でお前がいるんだ?」
先ほどよりも強い口調で放たれた言葉にエドはまたしても笑った。
「だってさロイ、開けろって言っても開けてくれないだろ?」
「あたりまえだ」
ロイのつんとした姿勢は変わらず、エドをにらみ続けた。
「そんなに見つめんなよ」
「なっ!!だ、誰が見つめるかっ」
ロイはニタニタ笑うエドを見てため息をつき、右手を額に当てた。
―どうしてこうなってしまったんだろう・・・。
その原因であろう日のことをロイは思い出していた。

一度、吸血鬼に襲われたことがある。
いや、正しくは襲われそうになった、だ。

夜、教会の外に出たとき大きな吸血鬼に腕を引っ張られ押し倒された。
その吸血鬼の口元で鋭く光る犬歯を見たときはもう終わりだと思っていた。
だが、助かった。
今まで上にいた吸血鬼は消え、その代わりに小さな子供、吸血鬼がいた。

つまり、エドが命の恩人になってしまったのだ。
それから、毎日のように尋ねてくるようになった。

ロイはもう一度大きくため息をつき、帰れとエドに言おうと顔を上げた。
が、そこにエドの姿が無い。
「帰った、のか?・・・・っっ!!」
突然、ロイの視界が反転した。
ロイが倒れた下はベッドであり、痛くも痒くもなかったのだが、問題はそこにエドが居たことであった。
「何してるんだね・・・・」
「えー・・・添い寝?」
エドが嬉しそうに近寄ってくるのを拒むことなく、ロイは諦めたようにそのまま目を閉じた。
「なに?寝ちゃうの?」
「あぁ疲れた、お前のせいで」
やはり目を瞑ったままのロイを見て、エドは何かひらめいたような顔をすると、ニヤリといやらしい笑みを浮かべた。
エドはロイに気付かれないよう静かに移動すると、ロイの顔を覗きこんだ。
それでも目を開けないロイにエドは期待に胸が高鳴るのを感じた。
そして・・・、
「いただきますっ」
「??!!」
さすがのロイもその言葉に驚き目を開ける。
が、それと同時に違和感を覚える。
ロイは唇に柔らかいものが押し付けられているのを感じた。
それがキスであると判断できたころには遅く、エドの舌がロイの口の中に遠慮なく入りこんでいた。
「んー!!ぅっ・・ぁ、やめっ・・ンふぁ・・・」
あまりにも強引なキスにどうすることもできず、ロイは無意識にエドにしがみついた。
エドは逃げるロイの舌を無理やり絡めとり、どちらのものか分らない唾液がロイとエドの口元を伝っていく。
ロイはだんだんと頭の中が真っ白になっていくのを感じた。

エドはやっとロイから口を離した。
ロイを見ると目元が真っ赤でうるうると涙が光っている。仄かに頬も赤く染まっていて、少し開いた口は唾液でてかてかとしていた。
そんなロイをエドはくすくすと笑うと、ロイの額にキスをした。
「じゃぁ、俺は帰るからvv」
ぼぅっとするロイにバイバイと手を振ると、部屋にあった窓からひょいと出て行った。






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ぬ、中途半端ですね・・。
でも、これ以上書けません。エロは気恥ずかしい///

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