短編 片ー2 「あの、足りませんか?」 「そんな事ねぇよっ。これ全部タダでいいのかよっっ!?」 「依頼の前払いだと思って下さい。もちろん依頼の終了時にお話した金額を払います。」 わぉ〜〜えぇ〜金づるだぁ〜〜。 「じゃっ遠慮なく!」 このっじゅーしぃな肉を食う!! ……はずだった。 そんな俺の小さな野望はリィマに手を弾かれた事で消えた。 「何すんだよっ」 「あの〜あなたの護衛の事ですけど、一体何を運ぶのですか?もし法外な物だったらお断りしますよ。」 リィマが警戒してるな。 「それは……」 男が箱をバックから出したぞ? 俺達に手招き? 顔を近付けて男がそっと開いた箱を覗く。 「まあっっっ!!」 「おおっっっ!!」 手のひらサイズのダイヤのネックレスじゃねぇかっ!! 男はすぐにバックにしまった。 「これを隣り町のフィアンセに僕の手で届けたいのです。」 「なぁんて素敵なのっ愛する人の為に危険な目に合うの覚悟だなんてロマンチックよねぇぇぇ〜〜」 おーいっドリームな世界旅立ってないで戻ってこーいっっ!! 「わかりました♪私達が責任持って護衛致しますわっ♪」 目ぇ輝かせて叫ぶなって。 で、俺達に依頼してきた男は、この街で結構大手の宝石商人。 20歳くらいの立派な当主。 名前はクリスっつったっけ―? 用件はさっきの通り。んで、恐ろしいルート選んだんだぜ。 街と街を挟んで森があるけど、そこ通るってさ。 近道っていやぁそうだけど、モンスターの巣を通るようなモンだ。普通は通らねぇよ。 なんでそんなルート選んだか聞いたら 「一刻も早く彼女に渡したいのです!」 だとよ。 俺は金になりゃあ問題ねぇけどよ。 俺強いから!! 「何1人でガッツポーズとってるの〜?」 「あ―…いやぁ―……頑張るぞ――っ」 う……苦しぃ……。 しっ白々しいって目で見んなよ!! 俺はリィマのそんな目線を無視して目の前のごちそうにくらいつく事にした。 ……まぁ、こんな感じで話しが進んで俺たちは森の中にいる。 「モンスター多いわね〜」 リィマも疲れたらしいな。 そうだよなぁ。半日前に森に入ってから俺達は戦いっぱなしだ。 よしっっ! 「リィマッ疲れたなら俺の腕の中で一息つくんだっさあっっ!」 ふっふっふ〜〜 愛する者が疲れるなら当然の行動だぜ! 両腕を広げて笑顔。 いつ飛び込んで来てもいいぞ〜〜。 「や―よぉ〜〜」 [*前へ][次へ#] [戻る] |