[携帯モード] [URL送信]

SPECIAL!シリーズ
第7幕 事件勃発
「何を言っているのかお分かりですか!?」

朝っぱらから何?

佐樹と風花が寮からメインルームに入ってくると、怜の怒鳴り声が響き渡る。

「どうしたの?」

尋ねた佐樹に勇火は困った顔を向けてきた。

「あのね・・・僕と怜に早朝に急な連絡が入ってね、行くことになったけど・・・」
「だからっっおれと隊長が一緒に行動するなんて!!」

あれ、怜は嫌なの?

「でも、水と火が使えるレベルAがどうしても必要らしい。父に問いただしてみたけど必ず必要らしいんだ。」
「会長が・・・・・けどっそれならそうで信頼の置ける代理人にここに来てもらうとかしてください!!」
「そうしたいところだけどね、生憎適任と思われる者は全員でかけていてね。」

怜が隊長にはむかうだなんて。
んん?でもそれって・・・・・

「私と風花って信用されてないんだ・・・」
「怜はそういう意味で言ってるわけじゃないからっ」

どこが?

佐樹は勇火に疑いの目を向ける。

「風花はもとS級犯罪者だからおれか隊長の監視の下行動しなければならない。佐樹はまだろくに能力使えないだけじゃなく、命を狙われてる疑いがある。そんなメンツが残されたときにどうしても出なければならない指令がきたらまずいということだ。」
怜・・・それって私が足手まといって言ってるようなものじゃない。
・・・・・・・・・否定できないけどね。

「怜ッそんな言い方しなくてもいいじゃない!!」

そうよ風花っ悔しいから言っちゃえ!!

「使えなくても足引っ張っててもそれなりに頑張ってるんだからーーっ」

お前が一番酷いこといってないか?

全員、心の中で風花にそう呟いた。

「・・・・・・おれそこまで言ってないけど・・・」

風花には聞こえてないようだが、怜は言った。

「と、ともかく僕だってこの状況はまずいと思ってるよ。上層部にはチームの状態を説明して指令をまわさないようにしてもらうから。」

勇火はそう言ったあと、ため息をつく。

「さすが隊長ですねっ。お願いします。」
「そううまくいってくれれば良いけど。」

怜ってばまだトゲトゲしてるーーーー。

「そろそろ行く時間だよ。」
「はい・・・・・」

気が重そうに怜は返事をし、勇火と共に廊下へと出て行った。

2人が戻るまで外出禁止ってことよね。



風花はメインルームの隣の部屋へと消えた。
そして、数分後に沢山の資料を抱えて戻ってくる。

「な、何?それ」
「私達チームが担当した事件の書類ね。なかなか時間取れなかったけど、今って丁度いい機会でしょ?整理手伝って。ね?」

うわ・・・・・・。
やることないし・・・いいかな・・・・・。
面倒くさそうだけど。

ピピーピピー

何?

壁に取り付けられた大画面のディスプレイが急に映しだされ、見たことのない中年男性が現れた。

「会長っっ」

この人が[J]の会長で、勇火隊長のお父さんね。

{港で麻薬の取引が行われるらしい。今すぐ現場に向かってくれ。}

えっっ!?隊長が私たちのこと話してくれたんじゃないの?

「待ってください!!私達はっっ」
{今すぐ動けるのは君達しかいないのだよ。風花君の能力であればすぐに片付く。}

そういう問題?

「それにっ麻薬は警察の問題です!!!」
{緊急事態だから仕方がない。それに、我々だって警察と同等の権力を持っているの。あと、麻薬の売人はレベルDの風の能力者だ。}
なんか・・・おかしいことになってない?
多分私よりも風花の方がそうおもっていると思う。必死に拒否続けてる。

「ですからっっ」
{頼りになるのは君達しかいないんだ。地図と相手の情報をFAXで送る}

プツッ


あぁ〜〜FAX届いちゃったよ〜〜〜


「あっ消えちゃった!感じ悪くない!?」
「困ったね・・・よりによって隊長がいないときだなんて・・・」

本当だよ〜〜〜っっ

風花は地図を手にとって見つめる。

「えーーっと・・・ここから車で15分くらいね。取引時間はー・・一時間もないじゃないっっ!!」
「ええーーーっっどうするのよぉぉぉーーーっっ!!」
「とりあえず隊長に連絡しようっっ」
「そうねっっ!!」

佐樹は携帯を上着のポケットから取り出して勇火にかける。

ツーーー・・・プププププププププ・・・・・・・・

あら、繋がらないっっ?

「ダメみたい。」
「そんなっっこの携帯で繋がらないなんて!!怜は!?」

風花も携帯を取り出し、かけるが・・・・・

「ダメ・・・電波妨害されてるみたいね。」

マジ!?

「そんなっっ行くしかないの!?そうだよっ私も風花も車の免許持ってないから距離的に無理だよっ」

ピピーーピピーー

あ、会長から?
もしかしてやっぱり行かなくてもいいとか?

大画面に再び会長が現れる。

「あのっやっぱり他のチームから応援をまわしていただきませんか?会長も私達のチームのことはお分かりのはずです!!それにっ車の運転が・・」
{残念だが君たち2人しかいないのだよ。風花君ならバイクの免許ならあるはずだ。責任は私が持つから今すぐ向かってくれ}

拒否不可―――――――?

「会長が責任を・・・・・・?どうしても行かなければダメなのですか・・・?」
{勿論だ。給料70%カットでもかまわないのなら行かなくてもいいが}

なっっ・・・権力振りかざすなんてっっ卑怯!!!

「そんな・・・・・・・ですが・・・・・・・」
{こちらも急いで人を探してみよう。君たちが犯人と接触するまでには何とかしてみせるならいいだろう?}
「そ・・・・・それなら・・・」
{では任せた}

そういい残して会長は消えた。
渋々という感じで、佐樹と風花はメインルームを出る。


もっと考えるべきだったかもしれないが、考える暇もなく地下の駐車場に向かう。

戸惑いを消せない佐樹に風花はヘルメットを渡す。
そして、バイクに鍵を差込みエンジンをかける。

「佐樹ちゃん、後ろ乗って」
「う、うん・・・」

もうっ知らなーーーいっっ!!


[*前へ][次へ#]

7/15ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!