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SPECIAL!シリーズ
第6幕 愉快犯を捕まえろ!
佐樹は怜と風花と共に高速道路に向かうこととなった。

今回は勇火ナシでの任務遂行となる。

「なんで隊長いないの?」
「なんで、だと?」

怜が睨んできた。

「ほらほら喧嘩しないのっ。隊長は会長の、お父さんの手伝いがあるの。」

風花がなだめるように声を掛ける。

「それもあるけど、誰かさんが火がダメだから隊長の能力使えねぇんだ。」

(それ私のせい!?)

「しょっしょうがないじゃないっっ!!」
「誤解ないように言っておくけど、たしかに火の能力が使えないのは隊長にとっては痛い。けどなっ能力使えなくったって隊長はあらゆる武道に優れてるから任務に支障はねぇ!!」
「勇火隊長はときどき会長の手伝いでいないときあるの。佐樹ちゃんが気にすることないのよ。」

怜の叫びを無視するかのように風花が説明をする。

本来なら勇火は次期会長として、現会長に付き添う立場らしい。

しかし、現場を知るために一人の隊長として活動している。

と、言うのは表向きで問題児を扱う勇者が勇火だけしかいないらしい(風花曰く)

(問題児・・・ねぇ・・・)

否定は出来ないのかもしれない。

風花も怜も[J]内外でモテるのに、難しい問題が根底にあるものなのかと考えてしまう佐樹であった。

(それに・・・私だって厄介ごと抱えてるから問題児ってことになるかもね。)


「で、今回の任務ってスピード魔の逮捕だっけ?」

この数日前から首都高に突然男が現れて、勝手にスピード勝負を挑んでくるらしい。

なんとも迷惑な話だ。

「そんないつ来るかわからない相手どうやって捕まえるのよっ」
「蜘蛛の巣みたいにアミ張っておけばいいんじゃない?」

(蜘蛛の巣って・・・)

「それじゃあ関係ない人も捕まるわよ。」

笑顔で言った風花を、佐樹は呆れた顔でみる。

「いや、今回はそういう案で行く。」
「はぁ?」

怜の説明によれば、
スピード魔は大体夜の8〜9時の間に現れるらしい。

「時間帯わかっても場所がわからなきゃ意味ないじゃない。」
「いや、わかるから捕まえに行くんだ。いいか、コレを見ろ。」

怜が塔叶全域の地図を出す。
そこには出現した場所を示すピンクのマーカーが付けられている。

「あっっ」
「こうするとわかり易いのねぇ〜」
「気付いたか。郊外から都庁に向かって斜めに向かって来てる。」
「じゃあ今日はもしかしたら、ここ?」
「そういうことだ。犯人が考え変えなきゃの話だけどな。」

(そういうふうに考えるなんて・・・怜ってすごいな・・・・・)

「でもさ、どうするの?まさかスピード勝負挑む気?相手は150キロ以上の早さでしょ?かなうの?」
「そうねぇ・・・自信ないけど面白そうだからやってみるの。」
「はぁっっ?」

風花を驚愕の表情で見る。

「私一度でいいから風の能力フル活用してぶっ飛ばしたいって思ってたんだよねぇ〜♪」

(スゴイやる気満タン!?)

「えっっマジ!?いいの!?」
「ああ勝負する奴いなきゃ話にならないだろ。」

(うわぁ許可しちゃったよ!)

「で、いつここ出るの?」
「そうだな・・・20:30過ぎだ。」

佐樹は時計を見る。
時刻は夕方の4時を示している。

(そういえば今日ってお昼からの出勤だよね。)

「念のため聞くけど、私のやることある?」
「特になし。」
「そう、じゃあ邪魔にならないように車で大人しくしてるわ。」

PM8:00

予測場所の高速道路は一部閉鎖し、佐樹たちだけがそこにいる。

「こんなあからさまに罠ってわかるのに来るの?」
「来る。むこうは相手が誰であろうと問題ないだろ。」
「もしこなかったら?」
「さあ?」

(さあって、閉鎖しておいていい加減だなぁ・・・)

「これはこれは[J]の方々!俺と勝負しようってことか?」

一陣の風が吹き、青の長袖のTシャツにミリタリー柄のズボンを身につけた茶髪の男が現れた。

「現れたな、スピード魔。」
「私と勝負よっ!」

風花は自信満々に男を指差して叫ぶ。

「お嬢ちゃん、人を指しちゃダメだって習わなかったか?」
「スピード魔のクセに説教か?勝負挑むか逃げるかどっちだ?」

怜を男は睨む。

「誰が逃げるって?挑まれた勝負は挑むぜ!それがスピードのジョ「お前はスピード魔で充分だ!」
「ちょっっ言いづらくねぇ!?」
「じゃあスピ魔だ!」

怜にキッパリと名乗りを否定されてガッカリする男。

(がんばれ!スピ魔!!)

あまりの落胆ぶりについ心の中で声援をおくってしまう佐樹であった。

「いっ挑まれた勝負は受ける!ただし条件付きだ!」
「じょ、条件ですって・・・?」


男はニヤリと笑い

「お前ら負けたら全員コレを着て記念撮影だ!!」

そう言って出したものは、

「ミニスカポリスの制服!?」
「スカート短いわねぇ〜」

(あれ、全員?)

佐樹は頭に浮かんだ疑問を男にぶつける。

「全員て、怜・この人も?男だけど?」
「ああ!全員!!」

途端に怜の表情が一瞬引きつる。

「へぇ〜じゃあ私負けちゃおっかなぁ〜・・・怜の女装ってレアよねぇ・・・」
「全力で勝て!!負けたら上層部の奴らにお前ボロックソに言われるだろ!!」

(それは風花よりも怜の方じゃない?)

車が全く通らない高速道路にチョークで白い線が引かれ、男と風花が並ぶ。

「ここからスタートして、次のサービスエリアを示す看板に早く着いた方が勝ちでいいな?」
「了解!」
「OK!」

「用意・・・ドン!!」

怜の叫び声で2人とも勢いよく飛び出す。

(ゴールの少し前に罠が仕掛けてあるけど・・・それだけで本当に大丈夫かな?)

心配をよそに2人は目に止まらないほどの速さで駆け・・・いや、飛んで行く。

ゴールで佐樹は2人を待つ。

(いくら風花でも・・・)

心配しても何も出来ないことに悔しさを覚える。

やがて人影が見えてきた。

(あれは・・・どっち!?速過ぎてわからない!!)

人影はあっという間に近づいてきて
「ゴーール!!」

叫びながら通り過ぎ、スピードを緩めながら戻ってくる。

「風花!!」
「作戦成功よ!ちょっと惜しいけど。」

数秒後、再び人影が見え

「なっんじゃこりゃぁぁぁぁぁっっ」

罠にはまり動けなくなった男が叫び声をあげる。

「風花スゴイ!勝ったのね!!」
「ずるいっずるいだろ!!こんなの認められるか!!」

(確かにゴール直前の罠は悔しいよね。)

「でも風花より遅かったじゃない。」
「罠だらけのコースだったじゃないか!!」
「え??」

そこに車で到着した怜が特殊な手錠をかける。

「こいつの走りはパターンが決まってる。だからところどころに罠を張らせてもらった。ま、もしも罠避けられたら困るから後ついてきたけどキレイに全部はまってくれたな。」
「それって卑怯じゃない?」

すると怜は冷笑をする。

「俺たちの目的は正々堂々と勝負することじゃねぇ。犯人を正確に捕まえることだ。」
「そのために手段選ばないってこと!?」

確かに逮捕が目的だから問題はない・・・・・・かもしれない。

(そのために手段選ばないって・・・)

「じゃあ罰ゲームだな。」
「へっっ?」
「コレ着て撮影だろ?」

暗闇に男の叫び声が響き渡る。

そして、セクシーな生足をさらけ出した男の写真が記録に残ることとなった。


・・・・・・・

メインルームに戻っても佐樹の表情は浮かばない。

その様子にため息をつき、怜が話しかけてくる。

「あのさ、まだ気にしてるの?」
「べっ別に!」
「犯罪者を野放しにしておくワケにはいかない。その為に手段選んでる場合じゃない。」
「でもっっ!そっそうかもしれないけどっっ」
「ひとつの事を甘くみたばかりに取り返しの付かないことになることもあるんだ。・・・稀だけどな。」

一瞬、怜が辛そうな表情になった気がした。

「それに今回は俺が隊長代理だからもしものときは俺が責任を取る。佐樹は何も気にするな。」
「わかったわよぉっ年下のクセに生意気よ!!」

捨てゼリフを投げて怜から離れる。

(正論が通じないときもあるって釘刺された感じよね。)


NEXT STEGE・・・。


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あきゅろす。
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