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SPECIAL!シリーズ
第7幕ー2
取引が行われる場所に着いたとき、まだ誰もいなかった。

もう引き返せないよね。
応援の人か警察が犯人より早く来てくれますように!!
で、でもっ会長が風花なら大丈夫って言ってたから・・・・・

「犯人来る前に誰か来てくれればいいけど・・・」

風花も同じ事考えてるのね。

「ねえ、もし犯人の方が早く着いたらどうするの?」
「見逃すわけにはいかないから・・・・・・・捕まえるしかない?」

疑問系で返事されてもね・・・・・。

「佐樹ちゃん、残念なことになりそうよ。」

30代くらいの男が黒いボストンバックを持って現れる。
風花が手にしている犯人、いや売人というべきか、の書類を確認する。

「本当に残念ね。じゃあ作戦を・・・っってえぇぇぇぇぇぇぇっっ」

なんで相手の前に堂々と出て行ってるのよぉぉぉぉぉぉぉっっ!!

「すみませぇーーん」
ああっ制服着てるから警戒してるよっっ
あっ逃げ出した。

「なんで[J]がいるんだよぉぉぉーーーっっ」
「ごめんなさぁーいっお仕事なのーー」
「うひいぃぃぃぃぃぃぃぃっっ」

台詞だけ聞くとすごくまぬけだけど、私の目の前では風と風がぶつかり合う激戦が繰り広げられてるのよね。

「危ない!!」

風の刃が風花に当たる!!
あっぎりぎり避けたね。

「この程度の風で私を倒せるだなんて思わないでね。」

風花ちゃーん笑顔で言う言葉じゃないでしょーー?

「まっまさかっっ噂の[爆風の令嬢]!?」
「そうね、そう呼ばれているわね。」

そして、売人の周りをいきなり風が狂ったように吹き荒れる。

「風よ、この男を逃がさないようにしっかり捕まえてはなさないで。」

なに?なんなの!?

「包みなさい」

あ・・・・・売人が見えなくなった・・・竜巻ってほどじゃないけど近づきたくないなぁ。

しばらくすると風が止み、気を失って倒れている売人が姿を現した。

「あれ?もうギブアップ?手ごたえないわねーー」
「あのさ、風花が強すぎると思うけど・・・・・」
倒れている売人に風花は近づき、手錠をかける。

「この人どうするの?」
「うーーん誰か車で来たら運んでもらおうよ。」


風花がそういいながら佐樹を見たとき、険しい表情になる。

「ど、どうしたの?」
「かなりの人数に囲まれちゃったみたい・・・」

かなりの人数って・・・・・そういえば、殺気が・・・・・
認めたくないっけど・・・・・

恐る恐る振り返る佐樹の視界には怖――――いオーラを滲みだしている多数の男たちが映し出された。

これって・・・ヤクザ映画の撮影!!なわけないよね!?

「ね、こっこの人たちって・・・」
「取引相手の組員たちね。佐樹ちゃん、その人お願いね。」
「何する気!?」
「あのお兄さんたちの相手してくるから。」

そう言うと、佐樹たちから風花は少し前に出る。

とにかく、この倒れてる売人と薬は守れってことよね?

「ねぇちゃんそいつの手錠放してくれねぇか?穏便に済ませようぜ。」

一番偉い感じの男が風花の前に札束を投げてきた。

これって・・・・・

「[J]と取引するつもり?」

どうして!?
何しっかり札束受け取ってるのーーー?
ピンチだけどこういう場合それはまずいでしょーーー?

「話がわかるみてぇだな。」

ニヤリと笑う男に、風花も笑顔を向け・・・

「ごめんなさぁぁーーーいっっ私こういうのよくわからないのーーーっっ」

パアァァァァァァァァァァァァン

あ・・・いー音。

風花が男に向かって能力付きで投げつけた札束は男の頬をおもいっきりはたく。
男は札束と共に後方へと吹き飛ぶ。

「アニキーーーー!!」

地面に勢いよく男が転がるとその周りを札束が舞い落ちる。

「よくもアニキをっっ!!」
「やっちまぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

やくざたちは武器を取り出し、風花に襲い掛かる!!

あぶないっって、なに?風花余裕そう?

軽々と攻撃を避け、風で反撃をする。

なんとかなる?戦闘は風花に任せて避難した方が良さそうね。

佐樹は意識を失ったままの男と荷物を引きずる。

・・・・・重い・・・。

「そうだ、蔦(つた)よっ伸びろーー」

佐樹の手にしている種から蔦が生え、男とボストンバックに巻きつく。

「このままGO!」

蔦によって引きづりながら、佐樹はなるべく攻撃がとどかなそうな倉庫の手前に行く。



重かったー・・・風花大丈夫かな。

佐樹は戦闘が行われている方を見て、呆然としてしまった。

多人数のヤクザにたった一人で戦っている風花。
にもかかわらず、風花の方がどう見ても優勢。

あ、ヤクザの中にも能力者いるんだ・・・けど・・・あれ・・・風花・・・・・・なんだよね・・・?

「あーはっはっはっっ」

これ、風花の声なんだよね?

「ままごとレベルのぬるい攻撃してんじゃねぇ!!」

えーーー・・・・・・なんで?キャラすごーーーーーーーーーーくっっ変わってない?
えっとぉ・・・・・開いた口が塞がらないっていうか・・・
へたに近づいたら攻撃受けるよね・・・・・・

「ん?ちょっちょーーーーーっっ」

近づかなくても攻撃キターーーーーーッッッ!!

佐樹に無数の風の刃が襲いかかる!
とっさに植物で防御するが・・・・・・・・
あらぁーー・・・いい切れ味。
って関心してる場合じゃないよーーーっっ
もうダメーーーーーーッッッ!!

佐樹は思わず目をつぶる。

「水壁ッッ!!!」

ドオォォォォォォォォォォォォンッッ!!!

あれ・・・私・・平気・・・?

「間一髪♪」
「このっバカッッ!!」

佐樹の目の前には水の壁をとっさに作り出した怜と鞭で風の刃を消している燎がいた。

「いきなりバカッて・・・」
「もう少し遅かったらお前重傷負うとこだろ!!なんで隊長かおれに連絡しなかったんだ!!!」
「怜、そんなに怒っても現状を変えられないよ。けど、連絡ひとつくらいは欲しかったね。メインルームにメモ置いてくれてあったからすぐ来れたけど。」

攻撃から避けるように燎の後ろに立つ勇火が聞く。

「連絡したよっけどっどっちも妨害されてて繋がらなかったの。それに会長から脅されて」
「父が!?それに電波妨害だなんて・・・・・」

怜も勇火も信じられないという顔をしている。

「ねぇーーそれより今は風花ちゃん止めなーーい?」

燎の言葉で全員暴れている風花に目を向ける。

「そうだっ風花どうしちゃったの?」

「あいつは本格的なバトルが長引くとああなる。で、敵味方関係なく攻撃する。だから厄介だ。」

・・・・・そうなんだ。

「燎は佐樹ちゃんを頼む。怜は僕の援護を頼む。風花を止めに行くよ。」
「了解♪」
「はいっ」

勇火と怜は風花に向かって走っていく。

「佐樹ちゃんには怪我ひとつさせないからね♪だから勇兄ぃ達を見ないように目つぶってなよ♪」
「え、なんで」
「勇兄ぃは火の使い手だよ。火見たくないでしょ?」

そうだ、ダメなんだ・・・うーー気になるけど・・・。

佐樹は目を閉じる。

そういえば、隊長達の任務ってなんだったんだろう?
それに、なんでこの人・・・隊長の親戚の、燎だっけ?一緒にいたんだろう。
また皇丘の制服着てるし・・・・・。


「終わったよーーーーーー」

勇火の声が響き渡り、佐樹はそっと目をあける。
勇火は気を失った風花を抱えている。
ヤクザはどうやら全滅した様子。

今回の任務ってなんだったの?

謎だけが残った。

NEXT STAGE・・・・・。

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