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美しいものは恐ろしい(三日月宗近)
審神者→若様(本名年齢不詳)
ヒロイン→トリッパーで審神者補佐











綺麗すぎて恐ろしい。
彼がのほほんと笑っていても、まるで中身が解らなくて怖く感じてしまうのだ。
付喪神であるから、と言えば他の刀剣達も同じだけど、彼だけは違って見えた。


「なまえ、なまえよ」


穏やかな声色で、反射で振り返って後悔する。
私は、三日月宗近がすごく苦手だ。


「な、何ですか三日月さん」


怖いと思う気持ちを隠さない。
敏い彼は気付いているだろうに、私から離れない。
それが尚更怖いと思う。


「いや、呼んでみただけだ」


「え、あ、そうです、か」


三日月宗近の細く節がある男らしい指がゆるく私の首に触れる。


「っ!」


「そう怯えてくれるな、虐めたくなる」


くつりと細められた瞳に、月が見える。
趣味が悪い、と無言で睨むと益々機嫌が良くなった三日月宗近はにっこり笑うと私の横を通り過ぎて消えた。


「やぁ、なまえ。三日月おじいさんを見なかったかい?」


審神者である若様(審神者は本名を明かしてはならず、補佐の私ですら本名は知らない)がこれまたのほほんとした顔で現れたから私は思わずそっぽを向いて「知りません!」と叫んでしまった。


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