それだけはあげない。(シンドバッド) 地位も名誉もお金も思うがまま。 犠牲にしたのは安心と自由。 俺がかつて選ばなかったものを、彼女は必要とした。 私では王様を満足させられない。 私は何も持っていない。 私には何もない。 彼女はそう言って悔しそうに俯いた。 だが俺は、そんななまえを欲しいと思った。 俺が君の全てになろう。 そう誓って彼女の唇に自らの唇を重ねた。 「酷い人、貴方は絶対に私だけのものにならないのに私の全てになろうだなんて」 ポロポロと落ちる涙すら愛おしい。 愛おしすぎて気が触れてしまいそうだな。 [*前へ][次へ#] [戻る] |