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思春期(レッド)

いつからだろう、レッドが変わったのは。
いつもわたしに優しくてふんわり笑っていたレッドはいつの間にか「ぼく」から「オレ」になって、目つきも少し鋭くなって声も低くなって、ふんわり笑ってくれなくなった。代わりに知らない男の子のようにわたしを見つめる。
それが何だか恐ろしく感じるのはわたしがまだまだ子供だからだろうか?



「背も伸びた、声も変わった、目つきも変わったのならグリーンも同じだ。
オレに対してだけそれを寂しい、怖いて言う名前の感情はどこからくるのかよく考えて。
じゃないとオレが報われない」

「…………」


正論だ。
グリーンだって背が伸びたし声も変わったし目つきも少し変わった。
でもグリーンは寂しくないし、怖いと思うこともない。


繋がれた手を見る。
わたしとは違う骨ばった指の感触、何だか手がゾワリとした。


「なまえ…」


ギュッと指に力を込めてわたしの苦手な声でレッドがわたしの名前を呼ぶ。
何でなきそうになるんだろう。
レッドは悪くないのに、何で昔のレッドが良かったと思ってしまうのだろう。


「好きなんだ…」


レッドがあまりにも熱を帯びた男の子の表情をしてわたしに好きだと言う。
そうして?わたしたちはこれからどうなるんだろうとぼんやり考えた。


思春期
(まだ待って、変わることが怖いの)





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