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夢芝居(沢田)



怠惰な日常
時は進んでいるのに俺だけが進んでいない、僅かな焦燥感
目の前に横たわる日常を過ごす普通の時間



可愛い彼女、京子ちゃん
母さんに、海外出張中の父さん、煩い居候のリボーン、ランボ、フゥ太、ビアンキ
初めてできた仲のいい友達、山本に獄寺くん
風紀委員長のヒバリさん
俺にもやたら絡んでくるヒバリさんの悪友(?)の骸



「ツナくん?」


「え、あ、ごめん…っ」


ツナくんってば昨日徹夜でゲームしたんだね、と京子ちゃんが笑った。


「あ、あれ、なまえちゃんじゃない?」


「え?」



京子ちゃんの視線の先には真っ黒なロングコートを着て真っ黒な髪を靡かせた女の子。て言うか、誰?


まるで俺たち共通の友達を指すような京子ちゃんの口振りに俺は口を閉ざした。京子ちゃんが大きく手を振って女の子に向かって叫ぶ。


「なまえちゃーん」


女の子が振り返った。真っ黒、真っ暗な髪から覗く真っ暗な瞳。不思議と言うか、変な黒だ。本当に真っ黒。その不思議さは骸のオッドアイを凌いでいた。無表情でまるで綺麗な人形みたいだ。


「つまらない男ね、沢田綱吉」





彼女の言葉で世界が止まった。
何で忘れてたんだろう
彼女の名前を
彼女の存在を
彼女の瞳を
あんなに大切にしていたのに



「これがあなたが願った日常?バカね。わたしたちがただの友達だなんて、ある筈がないのに。でも…


つまらなかったけど、嫌じゃなかったわ」


無理やりつくった泣きそうな笑顔で、彼女は言った。









夢芝居はおしまいおしまい
(さぁボンゴレ、武器を取りなさい)



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あきゅろす。
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