ツンデレ骸シリーズ@
人は恋をするとこんなに余裕をなくすものなのかと驚愕していた。自分も恋をしている身だが、自分の間抜けっぷりは自己嫌悪に値するもののギャップというものはない。しかし今目の前にいる男はどちらかと言えば人と接するのは良くも悪くも巧い部類に入る。
そんな男が、明らかにおかしいのだ。
自分の従姉を見た瞬間から。
「おや、誰ですか貴女は」
「え、私ですか…?みょうじなまえと言います…。ツナくんの従姉です。貴方はツナくんのお友達ですか…?」
骸がなまえ姉ちゃんに対して冷たい。最初はオレの身内と言う理由でなまえ姉ちゃんにつっかかってるのかと思ったら申し訳なくなった。でもコイツが初対面から冷たい態度を取るなんて珍しい。オレの母さんと偶然会った時だって紳士だったくせに(内心は知らないけど)
「友達なんてとんでもない。彼は僕の獲物ですから」
「そう、ですか…」
心配そうになまえ姉ちゃんがオレを見てきた。これは絶対なんか勘違いされてる!
「骸!なまえ姉ちゃんの前で変なこと言うの止めろよ!」
「ツナくん駄目よお友達に声を荒げたら。えっと、むくろ、さん?ですか…?素敵なお名前ですね…」
「…………」
なまえ姉ちゃんがいつものように頬に手を当ててふんわり笑うと骸は目を丸くして固まってしまった。ど、どうしたんだろう…。
「む、骸…?」
「骸さん…?」
オレとなまえ姉ちゃんが名前を呼ぶとハッと気付いた骸が頬を赤く染めて叫んだ。
気安く呼ばないでください!
(ご、ごめんなさい…)(え、まさか、お前…!)
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