EVERY DAY
04
そこにはチラシを持った一人の男性。
「うおー!やっぱ恵里じゃん!」
「げっ!!」
恵里があからさまに嫌そうな顔をする。
「知り合い?」
固まった恵里にみずほが声をかけた。
「いや、知らない。」
恵里ははっと意識を取り戻すとすばやく否定をする。
「ひっひでー!!!お世話になった先輩に向かってそれはないよね!?」
「誰 が お世話になった先輩ですか!
言っとくけどあたしはお世話された覚えないわ!」
2人の言い合いが始まってしまった。
周りもうるさいのでさほど気にならない声の大きさだがここで戦闘を繰り広げられては休憩時間がかなり減ってしまう。
「あの…邪魔して悪いんですけど、」
みずほがぼそぼそと割って入ると、恵里の先輩らしき人が、
「何なに?恵里の友達?
はじめまして!3年生の小笠原です!
あ、これよかったら。」
手に持っていたチラシをみずほに渡す。
「はあ。」
渡されたチラシには、『WEEKLY SPORTS』という文字が。
「あたしの友達に変なもん渡さないで下さいー。」
「変なもんって!!勧誘だよ、勧 誘。
名前のとおり、週1でいろんなスポーツやってるからさ!
メンバーもいい人ばっかりだからすぐ馴染めるよ♪」
不信そうに達治を見る恵里だったが、チラシを覗き込む表情はまんざらでもなさそうだった。
「ま、考えといてよ。
希望のときは気軽に俺に連絡してくれたらいから。」
「はいはい。」
恵里が投げやりに返事を返し、遠ざかろうした。
「あ、恵里!ユウ元気?」
達治が思い出したように呼び止める。
「元気だよ。この大学。」
「そーか。そーか。」
にこりと恵里に笑顔を向けると達治は一緒にいたサークル仲間と勧誘活動を再開した。
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