EVERY DAY
01
4月2日。
1日には入学式が市の会館で無事行われ、この日は朝から大学構内にある大ホールと呼ばれる講堂で大学生活についての説明会がされていた。
大ホールといっても、収容人数は約400人程度。一年生全体ではなく、みずほの学部、人文学部のみでの説明会だった。
前では教授や事務員等のガイドが代わる代わる話をしている。
説明会が始まってすでに一時間を超えようとしていた。
学生達の集中力も途切れ始めた時だ。
「ね、ね、今どのプリント見てんの?」
後ろを振り向けばすぐそばで女の子が小声で話しかけてきた。
机の上の右手付近には開けられた携帯が。
おそらくメールをしていて説明を聞いていなかったのだろう。
みずほはどのプリントのどのページかを周りから目立たないように教えてやる。
相手に納得してもらい、「ありがと」と言われて、コクリと頷いてから前を向いて再び説明を聞き入った。
ある程度時間が経過してから10分間の休憩が与えられた。
携帯を開くと10時15分。これまでの説明の進み具合からして、長い話がまだ延々と続きそうな気がした。
と、再び肩をぽんと叩かれる。先程の女の子だ。
「さっきはごめんね。結構重要そうなとこだったから助かったよ。」
「あぁ、いいよー。あのくらい。」
みずほが彼女と向かい合う形で座る。
「地元の子?あたし外からきたんだけど、知り合いとか全然いなくて…。」
「あたしも外からだよ。仲間!」
「ほんとに!?よろしくー!」
-キャンパス・ライフ-
[次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!