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EVERY DAY
16

慌てて出てきたものの…
アパートまでの道のりはかなり長い上に、この町に来て一週間のみずほは土地に詳しくない。

しかも雅哉の調子も戻っておらず、フラフラしていた。

とりあえず雅哉を早く家に帰さなければ。
みずほは雅哉の手首を掴んで来た道をぐいぐい引いて歩いた。


「みずほ、ごめんねぇ。」


「もういいから。でも迷ったら道教えてよっ!?

ってわっ!!!!

何 泣 い て ん の !?」
みずほはびっくりして足を止めた。
突然止まったので雅哉の体が軽くみずほにぶつかる。

さっきの良子の話で涙腺がかなり弛んでいるらしい。雅哉の目からボロボロ涙が溢れていた。


「なんかもう情けなくって…。」



「情けないって泣く方がよっぽど情けないわっ!!
泣くな!男が!」


再びずんずん歩き始める。

「なんかみずほどっかのかーちゃんみたい……。」

「…………。」


雅哉は袖でごしごしと目をこすり涙を拭き上げた。




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あきゅろす。
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