EVERY DAY
15
「早妃ちゃーん!!」
5時を過ぎてちょっとしてから2人組の私服を着た50代前後の男達が来た。
どうやら常連のようだ。
「あらあらぁ!水谷さん!高尾さん!いらっしゃ〜い。」
早妃が入り口まで迎えに行き、奥の席まで案内する。
「今日は珍しいお客さんがいるんだねぇ。」
上着を脱ぎながら客はみずほ達を見る。
「うふふ。あたしのお友達ー。」
「お客さん来たみたいだしあたし達は帰ろうか。」
未だにうなだれている雅哉の肩を叩いてみずほが立ち上がった。
「あ、もう行く?送るわね。」
「えーっ!早妃ちゃん行っちゃうの!?」
早妃がみずほの方に近づこうとした時客の一人が文句を言った。
「話相手がママだけになるじゃないか。
……あの人は話下手そうだしさ…。」
良子の方を見てぼそりと早妃に耳打ちする。
「ちょっと、水谷さん…「それじゃー帰ります!
さっちゃん、あたし達のことならいいよ。
今日はありがと。
美鈴さん、良子さん、ありがとうございました。」
店に嫌な空気が流れ始めたので、みずほは早妃の言葉を遮り、ぺこりと頭下げて雅哉の手を引いて出てきてしまった。
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