EVERY DAY
10
「結局マンションも出ることにして……ここに住ませて頂いてるんです……。」
先ほどから良子の話が続いている。
20年以上も働いた会社をつい先日リストラされ、妻子は愛想を尽かし出ていってしまったらしい。
「うえっ…ひっく……良子ちゃん…。
あ、もうないや…。さっちゃ〜ん、おかわりぃ。」
顔を真っ赤にし、氷しか入ってないグラスを握りしめている雅哉の目からは涙がボロボロこぼれていていた。
「雅哉飲みすぎだよ!」
みずほが雅哉のグラスを取り上げる。
「そうよぉ。まーちゃん、ちょっと水飲んで冷ましなさい。」
みずほと早妃に止められて雅哉はぶーと膨れる。
飲むものがなくなった雅哉は前に置かれているつまみに手を伸ばす。
さっきまで早妃達を嫌がっていたはずの雅哉は今ではすっかり打ち解けてしまっていた。
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