EVERY DAY 08 早妃の奥にいるのは新人という言葉が似つかわしくない、もう50近いと思われる小太りの男だった。頭はてっぺんの髪がほとんど薄くなり、地肌が見えていた。 「よ、よ…良子です。えー…お、お願いします。」 相当緊張しているのか良子の広い額には脂汗が浮かんでいる。 良子はポケットから取り出したハンカチで汗を拭い始めた。今日は暑いですね等、噛みながら言っている。 「もぉ〜。良子ちゃん、そのおっさん臭い仕草やめなさいって言ったでしょお。」 「はぁ。す、すみません。 う、うふふ…。」 良子は必死にオカマを演じきろうと、ぎこちない笑顔をみんなに向ける。 ―な… 何の罰ゲームだよ…!!― みずほと雅哉は良子に笑い返すが、非常にいたたまれなくなっていた。 [*前へ][次へ#] |