EVERY DAY 07 『あれっ。雅哉?』 横を通り過ぎようとしていた女性が雅哉に気付いて足を止めた。 『橋本さん!』 『と…友達…?』 橋本と呼ばれた女性は雅哉と腕を組んでいる男―早妃―を見てぎょっとする。 『うん……。まぁ…。あんま深くつっこまないで…。』 虚しそうに言う雅哉の顔に暗い影がかかった。 橋本は前髪を真ん中で分け、ロングの髪には少しウェーブがかかっていた。服装はバルーンのワンピースに春っぽいブーツを履いていた。 『あ!!バイト遅れそうなんだった!』 それじゃあと手を振り、振り向きざまに 『最近あたしのこと放置じゃん。 また相手してよね。メールするから。』 と言って去っていった。 「橋本さんは彼女じゃないよー。 俺、彼女なら名字で呼んだりしないし。」 「でもあの女なんか馴れ馴れしかったじゃない。てっきり彼女かと思ったわ。」 「親しいと言えば親しいし……って ギャッ!!!」 いつの間にか美鈴の隣に座り、さりげなく会話に入っていた早妃に雅哉が驚いた。 「ギャッて……。 失礼ねぇ、まーちゃん。」 奥から出てきた男に早妃が手を向ける。 「紹介するわ。こちら新しく入った良子ちゃん。ちょっと恥ずかしがり屋さんなのよ。」 [*前へ][次へ#] |