EVERY DAY
11
早妃の部屋にはかわいらしい家具が多く、部屋だけ見ると女の子が住んでいるようだった。
もう片付けはほとんど終わっており、まだ開けられていないダンボールが隅の方に寄せられていた。
二人は口をぽかんと開けて黙り込んでしまう。
部屋に入ってから早妃は、
「まだ散らかってるんだけど…
好きにくつろいでね。」
とだけ言うと台所にお茶を取りに行った。
「みずほー、どうしよう。」
「入っちゃったものは仕方ないじゃん。」
先程から落ち着きがない雅哉をよそにみずほは平然とした態度で割り切っていた。
キョロキョロと興味深く辺りを見渡すと、早妃のものと思われる卒業アルバムを発見した。
少し開いたダンボールの中からちょっとだけ顔を覗かせている。
「こういうの気になるよね…。」
「…ちょっとね。」
みずほの返事を聞くと雅哉がアルバムに手を伸ばす。
「や、やめときなよ。もしかしたら見られたくないものかもしれないし。」
「見られたくなかったらこんなとこ置かないだろー。」
確かにと納得してしまったのかみずほはそれ以上止めなかった。
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