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EVERY DAY
07


そして今に至る。




―これは…見て見ぬふりして部屋に戻るべきかな…―

目の前には抱き合う男二人。
みずほにとってこのポジションはかなり居心地が悪かった。

男は雅哉を抱きしめたまま、「タイプだわー」だの何だの言っていた。

部屋に戻ろうと目線は二人に向けたままドアノブに手を伸ばす。

雅哉がみずほに視線を送っている。
まるで
―見捨てんのかッ!?―

―助けてくれ!!―
とでも訴えるかのように…。


だが大男の腕は太く、かなり力が入っているようだった。

例え二人掛かりで動かそうとしてもびくともしないだろう。


みずほは諦めろ、と目で訴え、部屋に入ろうとした。

丁度その時、引っ越しセンターの人達が大きな家具を持ち、通路へと入ってきた。

「すみませーん。」

「あら、ごめんなさいね。
こっちよ。」

引っ越しセンターの人が男に話しかけると、ようやく雅哉は腕の中から解放された。

男はまたねとだけ言って自分の部屋へと入っていった。

「良かったね、願いが叶って。」
願いとは先ほど雅哉が呟いていた言葉―俺のこと好きになってくれる子希望!!―のことだ。


「………嬉しくない…。」
雅哉はがくりとうなだれた。





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