EVERY DAY
10
「でも確かに彼女いたらまずいよね…。」
先ほどまで夢中で食べていた昼食だったが今では手が完全に止まっていた。
<ま、一人暮らしの女の部屋に一人で入り込んでくるぐらいだからいないとは思うけどね。>
いなくても入らないけど。とぼそりと呟く。
「うーん…。あいつ何考えてるかわかんないからなぁ。
彼女いても気にしなさそう。」
<何気にとんでもない人に合い鍵渡しちゃってるじゃん…。
あのね、
あたしも一人暮らし始めて彼氏とは遠距離になっちゃったけど、もし近場に住んでたとしても合い鍵渡さないよ。>
「そうなの!?」
<んー…、あたしが心配症すぎるってのもちょっとあるけどね。
とりあえずそんな簡単に渡していいようなものじゃないってことだよ。>
語るだけ語って友人は電話を切ってしまった。
―そもそも何の電話だったんだっけ…。―
突然電話がかかってきたと思ったら最初は散々のろけ話を聞かされ、そっちは隣の男とどうなのなどと聞かれたから合い鍵を渡した時の雅哉の様子がおかしかったことを話した。
通話時間2時間。
よくこんなに話せるものだとみずほは感心し、止まっていた手を動かして残っている昼食を食べ始めた。
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