EVERY DAY
01
-予感-
―最悪だ…。
何してんだ、俺。
触れちゃだめだったのに。
何で。
何で……っ!―
雅哉は客に水を運び、注文を聞いたあと、カウンターに戻ってから大きな大きなため息をついた。
みずほの泣き顔を思い出す度、自分の軽率さにふつふつと怒りが沸いてくる。
最初にみずほが彼氏はいないと言ったことをなぜ信じることができなかったのか、その疑いが結果としてみずほを傷つけてしまったのだと昨日からずっと自分を責め続けていた。もしかするとみずほは今までのように接してくれないかもしれない、最悪、口をきいてくれないかも…と考えては落ち込むのだった。
「あいつ、最近浮き沈み激しいっすね。」
「……………。」
雅哉を眺めながら話をするのは喫茶店の店長といつも雅哉の相談にのっている先輩だ。
「沈んでるあの子から注文受け取ってきて…。」
店長は呆れてため息をつき、雅哉の先輩である男に指示を出すと奥へと入っていった。
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