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77.逆 襲


「ラルさんが負傷??!」



私の元にリボーンさんから二度目の連絡があったのは、一度目の連絡から暫く経っての事だった。



『負傷って訳じゃねぇが、絶好調って訳でもねぇだろうな。さっき光ったおしゃぶりの反応から見て、かなり派手に力を使ったに違いねぇ。ラル・ミルチの奴…相当無茶な戦い方をしたらしい』

「じ、じゃあラルさんは無事なんですね!?」

『嗚呼。一応な』



その言葉に私はホッと胸を撫で下ろす。でも安心している場合ではない。敵アジト内で戦闘が行われたと言う事は、ミルフィオーレに彼らの侵入を気付かれた事になる。



「それで皆さんは?」

『電波状況が最悪でこっちも詳しい事は分からねぇが、どうやら戦闘不能になったラル・ミルチの代わりに、アイツがやる筈だった囮の役をツナが引き受けたみてぇだ』

「沢田さんが?」

『嗚呼。こっちで居場所の確認をしてみた所、ツナだけ他の4人とは別の、地下10階の用水路に居る事が分かった。おまけに……戦闘中らしい』



何時かは気付かれるだろうと思っていたけど、まさかこんなに早い何て。

兎に角、今は一刻も早くこの場を何とかして、リボーンさん達と合流しよう。そうすれば沢田さん達の状況も、もっと詳しく分かる筈だから…!



『取り敢えず詳しい事が分かり次第また連絡…』



“する”。リボーンさんの言葉は恐らくそう続く筈だった。――それなのに何故か途中で切れた通信。どうして?急に電波状況が悪くなったの?



(さっきまで途切れる事はなかったのに…)



ふと嫌な予感が脳裏を過ぎる。もしかしたら何かの前兆かも知れない。
私は少し離れた場所でトンファーを振り回す雲雀さんに視線を向けた。


ドカ。バキ。ドサドサ。



「うわぁっっ」

「…もう終わり?」



彼は紫の炎を纏(まと)った武器を構え、一歩…また一歩と敵に近付いて行く。その度に同じ数だけ後ずさる隊員達。力の差は歴然。相手も完全に逃げ腰になっている。



「つまらないな」



コツリ、コツリと靴音を響かせ距離を縮める雲雀さん…。――けれど、異変は直ぐに起こった。


ドーン!!


突如、鳴り響いた爆発音。見ると雲雀さんの立っていた場所から黒い砂煙が立ち込めていたのだ。


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あきゅろす。
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