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小さな勇気[景時(遙か3)]
プチデートからの景時の決意。短いです。




オレは君に惹かれてる。


強くて、気高くて
優しい君に。


いつも真っ直ぐ前に進もうとする君を護りたいと思う。


けど、オレは弱虫で
心と裏腹な事しか出来なくて。


君の笑顔が見たいけど


きっとオレは君に悲しい顔しかあげられない。


君がオレの隣で笑ってくれる、この瞬間も


いつか儚く消えるのだろう。


それでもオレは……。





「景時さん!」


レインちゃんが真っ直ぐにオレに向かって走ってくる。


「あれ〜、レインちゃん。どうしたの?」


「ちょっと来てくれますか?」


良いよと頷くとニコニコしながら、オレの手をひく君。

その姿がとても可愛い。


「そんなに急いでどこに行くの?」


オレは君に心を悟られないように何でもない顔をして問う。


「良いから良いから♪
行けば分かります。」


…? 一体なんだろう?

暫く歩くと小さな川についた。


「ここがどうしたの?」


「こっちに来てください。
ほら!」


レインちゃんにつれてこられた場所から小川を見ると小さな虹が見えた。

その虹の下にはキラキラ光る水面。

そして、色とりどりの可愛い花達が咲いていた。


「とっても綺麗でしょう?」


「…うん、綺麗だね。」


「でしょう? 太陽がこの位置にあるときしか見られないんですよ。」


目を細め眩しそうに見つめる君の顔も、とても綺麗だよ。


「あ、じゃあ、他の皆にも教えないとね〜。」


気持ちを隠すようにおどけてそういうとレインちゃんは少し困ったように笑った。


「いえ、あの……この場所は皆には秘密です。」


「え?」


「私と景時さんだけの、秘密の場所です!」


少し照れたように言う君がとても愛しくて

思わず抱きしめた。


「か、景時さん!?」


しまったって思うのに

レインちゃんは驚きながらも抵抗はしないから。

そんな君が愛しくて愛しくて、堪らくなる。


「……っ…。」


君が愛しいのに、オレは君にかける優しい言の葉を持ってはいない。


「……景時さん。」


レインちゃんの優しい声。


「独りで、苦しまないでください。」


君はどこまで知っているのだろう?

真摯な瞳は簡単に真実を見抜いてしまうから。


「ゴメンね……。」


やっとで搾り出せた言の葉は、レインちゃんへの謝罪の言葉。

哀しいな、こんな時にすらオレは。


「大丈夫ですよ、大丈夫。
景時さんを独りにはしないから。」


情けないオレに向けられた
強くて優しい瞳。

きっと君はオレが君に向けている銃口に気付いてる。


それでも

レインちゃんは微笑みかけるんだろうね。

オレの真実の心を見抜いて。


「ありがとう。」


この、つかの間の幸せを永遠に出来たら良い。

初めて、オレが掴んだ小さな小さな勇気を
君が大事に大事に育ててくれるから。


「景時さん。」


オレを見つめて微笑む君を、たった一人、オレの哀しみに気付いてくれた

大切な君を護りたい。

いや、護ってみせるよ。

願うだけじゃ駄目だって、君が教えてくれたから。

独りじゃないって、君が笑ってくれたから。


いつか
永遠の幸せを手に入れたなら
君に伝えるよ。


唯一人、君だけを



──愛してる──。



2006.6.8.初出
2018.08.06.再掲載

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