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パラレルコルダ[コルダ]
女体化コンクールメンバー。
ギャグ話。





すっきり目覚めた今日の天気は快晴。


「こんな日は演奏も上手く出来そう!
じゃ、いってきま〜す。」


ライラは元気良く家を出ると、のんびりと景色を楽しみながら学校へと向かう。

しばらく歩くと交差点にさしかかる。

いつもなら同じコンクールに出る誰かと出会い、学校まで一緒に行くのだが……。


「ライちゃん、おはよう!」

「あっ、火原先輩、おはようござ……いぃ!?!?」


火原の方を振り返ったライラはかなりの勢いで後ずさった。


「ひ、火原先輩…どうしたんですか、その格好は……?」


恐る恐る尋ねるライラに火原が首を傾げる。


「え、どこかおかしかった!?」

「お、おかしいっていうか……制服、間違ってますよ?」

「えぇ!? で、でもこれ音楽科の制服だし……。」

「確かに音楽科の制服ですけど…それ女子用……。」

「ごきげんよう、レインさん。」


ライラの声を遮るように挨拶が聞こえる。


「あっ、柚木先輩。ちょうど良か……ったぁ!?!?」


またしてもライラが後ずさる。


「…レインさん? どうしたの?」


火原同様に不思議そうに首を傾げる柚木。


「ゆ、柚木先輩まで何の冗談なんですか?」

「冗談?」

「ライちゃん、変なんだよ。
わたしの制服がおかしいって言うんだよ。」


不服そうに友人に愚痴る火原にまたライラが驚愕する。


「わたし!?!?」

「……?
和樹さんにおかしな所なんてないわよ?」

「ななななな!?!?」


1人パニくるライラの肩を誰かが叩く。


「よう、レイン。どうしたん……!?」

「つ、土浦くん!!」


救いの神と言わんばかりに凄い勢いで振り返る。


「な、なんでぇ〜……。」


が、すぐに落胆するライラの目の前には自分と同じ制服を着た土浦がいた。


「一体どうしたんだ?」

「それが朝からこんな調子なんだよ。
ライちゃん、どうしたの?」

(こ、この展開だとあとの二人も……。)


「おはよう、レイン。」

「お、おはよう、月森くん……。」


恐る恐るライラが振り向く。


(…うぅ、やっぱり……。)

「…? レイン、どうしたの?」

「さぁ、それが私にもさっぱり。」


ライラの態度に困惑する四人。


「おはようございます、ライ先輩。」


そんな中、残りの一人である志水も登校して来た。


「はっ! 志水くん!!」

「……どうかしましたか?」


振り返ったライラの肩がフルフルと震える。


(やっぱり予想通り女子制服なんだけど……。)

「…か……。」

「「「「か?」」」」

「可愛い〜〜〜!!」


ライラは女の子の志水を抱きしめる。


「ありがとうございます。
でも、ライ先輩の方が可愛いです。」


女の子志水が照れて微笑みながら返すと益々可愛いとライラが頭を撫でた。

それを見ていた四人が声を上げる。


「あっ、志水ちゃんばっかりズルイ!」

「ええ、ちょっと妬けるわ」

「ああ……。」

「……そうね。」

「「「「………………………」」」」


火原の声を皮切りに次々と同意の声を上げる。

そして、よしっと頷いた火原がライラに近付く。


「わたしも抱き着いちゃえ!」

「え? きゃあ!? ひ、火原先輩!?」


女の子火原が後ろから抱き着き、ライラが驚いて顔だけそちらに向けた。


「あら、和樹さんばかり狡いわ。」


くすっと笑うと女の子柚木もライラに抱き着いてくる。


「ゆゆゆ柚木先輩まで!?」

「……面白くない。」

「わわっ! ちょっ土浦くん!?」

「……………。」

「ってさりげに月森くんまで!?」


火原、柚木に続いて土浦と月森までもがライラに抱き着いた。

もちろん志水は離れないまま。


「ちょっ!? みんな離れてーっ!!」

「「「「「い・や」」」」」


普段はぶつかりあっているライバルもこんな時は気が合うらしく、皆一様に聞く耳持たず。


「た、確かに最初に志水くんに抱き着いたのは私だけど……!」


交差点でライラとコンクールのライバル五人が抱き着きあっている。


「そんな朝の光景、嫌〜!!」


ライラの声が通学路に響いた。













「……という夢を見たんだ。」

「それは大変でしたね。」


夢オチでしたとさ。




初出2005.12.12.
再掲載2020.10.27.

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