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stage0.5 平穏な日常[ギアス]
ルルーシュ×ヒロイン。
【stage0 面影】と同主人公。特殊能力を持つ文武両道な鬼籍の第四皇女設定。
変装して偽名でルルーシュのクラスメイトとして過ごしている。
平穏な日常にさす影。
続き物、全二話。




学園で過ごす平穏な日常の中で突然起きた出来事。


当たり前にある筈の平穏な日常。


それは今の世界では、つかの間の夢に過ぎない。


世界中は哀しみで溢れ、こうしている今も、悲しみは生まれてる。


それでも……私は願わずにはいられない。


私の大切な人達が少しでも長く、この平穏な日常を過ごせるように。












「良い天気だなぁ、やっぱこんな日はドライブに限るでしょ!
どうよ、ルルーシュ! この後さ…。」


リヴァルは空を眩しそうに仰いだ後、隣を歩くルルーシュに声をかける。


「ああ、そうだな。」


少し考えるそぶりをしながら答えるルルーシュの横からシャーリーが声をあげる。


「ダメに決まってるでしょ!?
何度言ったらわかるのよ、ルルも。」

「わかったわかった。」


説教を始めそうなシャーリーにルルーシュは苦笑気味に笑う。


「あ、ライアーちゃん。おはよう。」


その光景を横で見ていたニーナがこちらに歩いてくる人物に気付き笑顔で声をかけた。


「ライアー、おはよー!」

「お、ライアー、おはっ!」

「おはよう、ライアー。」


シャーリー、リヴァル、ルルーシュもニーナの後に続きライアーに声をかける。


「おはようございます、いつもながら賑やかですね。」


それに笑顔で答えるライアー。


「それが聞いてよ、ライアー!
ルル達ったらまた賭け事しようとしてたんだから!」

「そうなんですか?
賭け事はいけませんよ。」


ティルナがそう言うとルルーシュはふむと顎に手をあて何かを考えると笑顔をライアーに向ける。


「いや、予定変更。
この前からナナリーが招待してる食事にライアーが来てくれるなら、今日は止めておくよ。」

「え…?」

「それなら一石二鳥ね!」


ルルーシュの提案にライアーが固まってると、どこからかミレイが出てきて口を挟んだ。


「会長!? どこから…。」

「ナナリーは前からライアーと仲良くしたがってたし、一回くらい良いんじゃない?」


驚くリヴァルを無視して、ね? と笑顔で言うミレイと勝ったと言わんばかりのルルーシュの笑顔。


「…わかりました。今日は予定もないですし、良いですよ。」


これにはルルーシュに負けず劣らずの頭脳を持つライアーも適当な言い訳が浮かばず、降参せざるを得なかった。


「良かった、それじゃあ俺はナナリーに報告してくるよ。」


ライアーの答えに満足しながらルルーシュは中等部に向かって歩き出す。


「ちょっ、ルル!? 授業は!?」

「大丈夫、授業までには戻るよ。」


軽く手を降って既に小さくなっていくルルーシュをライアーと四人は見送った。



「はぁ、本当にルルーシュは妹バカね。」


腰に手をあてて溜め息混じりに言うのはミレイ。


「もう! 他の事もあれだけ真剣にやれば良いのにっ。」


シャーリーは少し怒り口調に言う。

それにリヴァルが反論してシャーリーがまた怒って騒がしくなる生徒会メンバー。


(ルルーシュは良い友達に会えたみたいだね。)


それを見ながらライアーは小さく笑った。


「あ…ねえ、そろそろ教室に行かないと遅れちゃうよ。」

「あ、本当だ!」


ニーナの言葉に四人は時計を見て教室に向かい出す。

ライアーはマイペースに皆の後ろをのんびりと歩いていると。


「ライアーも急がないと遅れるよ!」


シャーリーに腕を引っ張られた。


「ほらほら急いで。」


少し急ぎ足で教室に向かいながらもミレイ達はやはり騒がしい。



その時──。



ライアーは不意に歩を止めて先ほどルルーシュが走って行った方向を見る。


(…木々がざわめいて鳥達が逃げてる……。)


何があったのかはわからないが、ライアーは確かに異変を感じとった。

すぐに適当にお手洗いと告げて四人から離れると携帯を出しダイヤルを押す。


「ナナリーちゃん?」

『え、ライアーさん?
どうしたんですか? 私に電話なんて。」

(やっぱり……ナナリーの所には行ってない。)


ルルーシュがナナリーの所へ行っていれば、ずっと何かしら理由をつけて断っていたナナリーの招待をOKした事が伝わっている筈。

だが、電話に出たナナリーの自分への反応は驚き。


ならばルルーシュはナナリーの所へは行っていない。


「ちょっとナナリーちゃんにお願いがあって。」

『お願い、ですか?』

「はい。もし、生徒会のメンバーからルルーシュさんの居場所を聞かれたら適当に誤魔化しておいてくれませんか?」

『……お兄様に何かあったんですか?』


不安そうなナナリーの声にライアーはくすっと笑ってみせる。


「何かあったというか、私の目の前ですやすやと居眠りしてますね。」

『居眠り…?』

「本当はナナリーちゃんには内緒だったんですけど。
私がナナリーちゃんの招待を受けるって話、ルルーシュさんから聞いてないでしょ?」

『え、受けて下さったんですか!?』

「はい。そしたらルルーシュさん、ナナリーちゃんを驚かせようと昨日徹夜で準備してたみたいです。」

『お兄様が……。』

「だから今日は起こさないでおいてあげたいと思うんです。
なので、ナナリーちゃん。」

『はい、そういう事なら。ライアーさん、ありがとうございます。』

「いえいえ、ではまたルルーシュさんが起きたら電話しますね。」

『はい、わかりました。』

「それじゃあ、ナナリーちゃんは授業頑張ってね。
うん、また後で。」


ライアーはそう言うと通話を切り携帯をしまった。


「予感的中、ね。
次はルルーシュがどこに行ったか探さないと。」


ナナリーとの電話でルルーシュが何かに巻き込まれた事を確信してライアーは動き出す。

ナナリーに心配かけたり他の皆が察したりしないように予防線をはりながら情報も得た。

守備は万全、あとはルルーシュを追うだけだ。


「ナナリーが無事だからブリタニアが関わってる線は薄い。
ならばテロか。」


ライアーはまた携帯を取り出し、どこかへかけ始めた。

暫く色々な人に電話をかけてからライアーは歩き出す。


「このルートならバイクのが早いわね。」


顎に手をあて少し考えると街中まで来たライアーはバイクに乗っている男性に声をかける。


「お兄さん、ちょっとこのバイク貸してもらえる?」


笑顔で聞くライアーに男性は静かにバイクの鍵を渡した。

それからライアーは約30分程バイクを走らせ、目的地に足をおろす。


「ここか、案外早く辿り着いたかな。
全く……もう少し頭を使わないとテロなんかやってらんないわよ。」


ライアーは一人、廃墟工場らしき建物の前で呟く。


「それにただの学生を人質にするなんて良くないわね。」


ライアーの予感は的中したらしくテロ組織によってルルーシュがここにいるとの情報を得て、ここまで来た。


「さてと、頭はあまり良くない連中みたいだし、行きますかね。」


そう言ってライアーは真正面から入って行った。





ちょうどその頃、捕らえられているルルーシュが目を覚ます。


(ここは…?
…そうか、テロの連中に巻き込まれて……くそっ、声すら出せないじゃないか!)


ルルーシュは両手両足を頑丈に縛られ、口にはテープを貼られていた。


(チッ、助けが来るのを待つか…?
しかし、誰かに連絡をつけないと助けが来るかさえわからないしな……。)


ルルーシュは自分の置かれている状況から打破すべく思考を廻らせる。


(雰囲気からして廃工場か何かだろう。
俺がいる場所は二階か三階辺りか、これじゃ出入り口からは俺は見えないな。)


ルルーシュが少し身を起こして下を見下ろすと同時に大きな扉が開き、光が射してくる。

眩しさに目を細めると聞き覚えのある声が聞こえた。


「ルルーシュさん、どこですかー?」

(ライアー!? ば、馬鹿か! こんな所に来たらお前も捕まるだけだ!)


聞こえた声に驚愕しながらルルーシュは必死で拘束をとこうとする。


(くそっ! ライアーだけでも無事に!!)


そんなルルーシュの心境とは裏腹にライアーはどんどん中へ進む。


「ルルーシュさん〜?
ここに入ったのを見ましたからいるのはわかってるんですよ。」


ライアーはわざと大声で呼び掛「お嬢ちゃんも運が悪いね。
こんな所に来ちまうなんて。」

「あの男の恋人か?
ならば仲良く一緒にしてやるよ!」


男が言うと同時に辺りに乾いた音が響く。


(なっ!? 発砲したのか!?
ライアーっ!!!)


銃声に驚きながらルルーシュは再度、身を捩って下を見る。


「危ないですねえ、女の子に向かっていきなり発砲するなんて。
もうちょっとで当たるとこだったじゃないですか。」


そこには弾を避けたらしいライアーの姿。



(良かった……。
ライアー、早く逃げろ!!)


安堵したルルーシュは声にならない声でライアーに叫ぶ。

だが、ライアーには届く筈もなく。


「一応はちゃんとしたテロなんですね。」


ライアーは挑発的な笑みを浮かべた。


「何だと…?」

「怖いもの知らずなお嬢ちゃんだな。
ブリタニア人なのが残念だよ!」


言いながら男は再びライアーに銃口を向ける。

が、今度は弾が撃たれる事はなく男が倒れた。


「き、貴様、何をした!?」

「その台詞を言いますか。
やられる前にやれ、実行しただけですよ。」


くすっと笑うライアーの手には投げナイフが数本、器用に持たれていた。


「貴様、軍人か!?」

「んな訳ないでしょ。軍人ならナイトメアで来るわよ。
本当に頭悪いなあ…。」


呆れながら答えるライアーに男達は激怒する。


「貴様っ! 女だろうと容赦しねぇぞ!!」


襲い掛かってくる男達を起用に避けながら投げナイフで攻撃を返すライアー。


(なっ……あの人数の男と対等に…いや、今はライアーの方が勝っている。
だが、あの攻撃では。)


「やるじゃないか。
だが、そろそろ投げるナイフがなくなったんじゃないか?」


男の言葉にルルーシュは自分の予想が当たった事を呪った。

だが、ライアーはにっと口端を上げる。


「何が可笑しい…?」


ライアーの態度に苛立った男は低い声で問う。


「武器ならあるじゃない?」


そう言ってライアーが持ったのは自分を襲ってきた男が持っていた刀。


「銃じゃなく刀で俺達に対抗するつもりか?
ククッ、勇ましいねぇ。銃も怖くて持てないお嬢ちゃんが!」


男達は刀一本しか持っていないライアーに容赦なく襲い掛かる。


(ライアー! 外れろッ、この!!)


ルルーシュは動けない自分に苛つき唇を噛み締めた。




しかし、ルルーシュ達の予想は外れ、ライアーは刀一本でも様々な武器を持つ男達に勝っていた。


「容赦しないとか言いながら大した事ないね。」


ふんっとライアーが鼻で笑うとちょうど後ろ側にあった扉が開く。


「本当に威勢の良い嬢ちゃんだな。」


そこからテロのリーダーらしき人物が出てくる。


「…あなたがリーダーね?」


怯む事なく自分を見据え、攻撃態勢をとるライアーに男がニヤリと笑う。


「ああ、そうだ。嬢ちゃんが強いのはよくわかった。
オレ達も馬鹿じゃないからな、通報しないと約束してくれたら人質は返そう。」

「…本当ですか?」

「もちろんだ。だから武器は捨ててくれるか?
人質はオレの後ろにいる、縛っているから声は出せないが。」


(なっ!? ライアー、それは嘘だ!
クソッ、ライアーからは逆光で見えないのか!)


「わかりました。」


ライアーは頷くと横に刀を投げる。

刀が光に射す方へ飛び、カランっという音が室内に響く。


「ルルーシュさん、大丈夫ですか?」


そして、ゆっくりとライアーは二人に近付いていく。


(違う、それは俺じゃない!
駄目だ、ライアー…っ!!)


ライアーが二人の元に近付いた瞬間。


──パンっ──と乾いた音を響かせてライアー目掛けて弾が発砲された。


(ライアーっ!! ライラーーーっ!!!)



To be next stage.




2007.10.5.初出
2020.04.19再掲載

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