お出迎え[遙か3]
テーマ【お出迎え】でヒノエ、弁慶、白龍、銀、知盛。
<ヒノエ>
ふふ、こんな夜更けに探索かい?
それともオレが恋しくなった?
…姫君は強いね、初めて逢った時から変わらない。
決して表には出さなくとも、こんな見知らぬ世界に連れて来られて、その美しい頬を涙で濡らした事もあるだろうに。
姫君のそんな優しい心は硝子細工のように繊細な綺麗さでオレの心を魅了する。
他人の痛みを自分の痛みにして流す涙も
誰かを護る為に真っ直ぐに凛々しく立つ姿も
子供みたいに屈託なく笑う純粋な笑顔も
大人の女を思わせる男を惑わせる色香も
その全てでオレを魅力してるんだぜ?
オレの心を離してくれないお前は美しい恋の海賊なのかもしれないね。
お前になら囚われるのも悪くない。
さあ、囚われのお返しは何が良いかい?
覚悟しときなよ、オレの神子姫。
<武蔵坊弁慶>
月夜の迷い子か
宵月が見せる幻影か
このような時分に君に逢えるなんて満月のなせる夢なのかもしれませんね。
僕に何か用があるのでしょう?
そのように俯いているだけではわかりませんよ。
そうやって頬を染めて俯く君は少女と呼ぶには相応しくない色香がありますね。
まだ幼いと思っていた月の姫君は日毎夜毎に美しくなっていくようです。
今、花開かんとする健気な君の姿は僕を魅了して止みません。
どうか顔をあげて、その秀麗な瞳を見せてはくれませんか。
ああ…君はいけない人ですね。
甘美な酒でも夜空に浮かぶ月でもなく、唯ひとり君だけに酔わされてしまう。
どうか羽衣を探さないで、僕の傍にいて下さい。
僕の愛しい天女…僕の願いを叶えてくれますか。
愛しています、永遠に君だけを。
<白龍>
私の所に来てくれたんだね!
嬉しい、私はいつでも貴女といたいと願っている。
本当はこの世界に貴女を呼んでしまった事、少しだけ後悔してた。
でも、貴女はそんな私に微笑んでくれる。
だから、私はその優しい笑顔を護るよ。
私の願いは唯一つ貴女だけ。
私は貴女だけの龍だから。
どうか笑って、神子。
貴女の幸せが私の幸福。
<銀>
このような夜更けに私の部屋へと迷い込んでしまわれるとは…如何なさいました?
…震えていらっしゃるのですか?
怖い夢でも見てしまわれたのでしょうか。
安心なさって下さい、私が傍にいますから。
このような、か細く可憐で清らかな貴女が怨霊と対峙する度に私の胸は締め付けられるのです。
どうか無理はなさらないで、もっと私を頼って下さい。
貴女の為になら何でもしてさしあげたい…貴女の笑顔が何物にも勝る私の幸福なのです。
貴女を愛しております。
<平 知盛>
このような所まで来るとは…俺の寝首でもかきにきた…か?
クッ…冗談だ…そう怒るな…。
それとも…俺を誘っているのか…?
俺は…お前のその顔にそそられる…それを知らない…とは言わせないぜ…?
クッ…今宵は楽しい夜になりそうだ…な。
愛してる…なんて台詞より…甘い夢を…見せてやるよ…。
2006.10.5.初出
2020.4.19.再掲載 戻る
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