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ピクニック[色々]
テーマ【ピクニック】
坂田銀時(銀魂)、古泉一樹(ハルヒ)、丹羽哲也(ヘヴン)、嵯峨遼(Zippy)。




<坂田 銀時>

「……………。」

今日も静かに本を読む俺の可愛い想い人。

端正な横顔を眺めていたら視線に気付いたのか不意に彼女がこっちを向く。

「……どうかした…?」

緩く首を傾げる姿が可愛いがここで抱きしめたりしたらセクハラだろうか?

なんて常識的な事を考えてみる。

やっぱり嫌われたくはないしなァ。

「…暇なの? 本読む…?」

彼女は黙ってる俺を見ながら本を差し出してくる。

やけに小難しい用語がならんでる気がするのは気のせェか?

「ん〜、本も良いけど…銀さん、ピクニックに行きたいなァ…。」

せっかく新八も神楽もいないんだ。

滅多とないチャンスに静かに本を読むなんて勿体ねェ。

「ん、良いよ。お弁当…作る?」

意外にアッサリ承諾してくれて俺は心の中でガッツポーズをした。

あ、いや…現実でもしてました。

それを見た彼女は弁当に関してだと思ったらしくキッチンに向かった。

俺の可愛い想い人は料理も超絶上手いんだな、これが!
って俺が威張る事じゃねェけどな。

しかし、自作のパフェはマジで旨かった。

そんな事を思っていたら弁当も出来たらしい。

「行こう…?」

「あぁ、銀さん楽しみだなァ。」

返事をしながら彼女が両手で持っていた荷物(弁当)を片手で持てば、無言でじっと見つめられる。

な、何か落ち着かねェな…。

「力持ち…頼りになるね。」

にこっと微笑んだ彼女を見て再び抱きしめたい衝動にかられる。

何とかグッと堪えると開いた手で彼女の手を握った。
これくらいは許されるよな?

恐る恐る彼女を見れば視線が合って
彼女が可愛く微笑んだから、このまま行く事にした。

いや、もう暫く手洗えないかも…。

なんて純情少年のような事を思いながら
可愛い俺の想い人と共にピクニック。

普通に抱きしめられるようになりてェな。

邪気が浄化されるような可愛い笑顔の横で真面目にそんな風に思った。

ま、いつか実現させてみせるよ。

そう遠くない未来に…な。






<古泉 一樹>

今日もSOS団は賑やか。

と言いたい所だが、何故か現在部室には私と彼の二人きり。

私がハルヒちゃんに半ば強制的に入部させられてから初めてじゃないかな。

「……………。」

よって会話が続かない。

キョンくんと違って古泉くんとはクラスも違うのだ。

何を話して良いのかサッパリわからない。

「今日は良いお天気ですね。」

「は、はい。そうですね。」

いきなり話し掛けられてビックリした。

古泉くんはいつものように微笑みを浮かべている。

「…無理に笑ったりしなくて良いよ?」

「え?」

不意に口をついて出た言葉だった。

自分でも驚いたけど、妙に納得もした。

いつも、彼に覚えていた違和感。

その正体がわかったから。

「何でか…なんて聞かないけど、私と二人の時くらいは無理しなくて良いよ。」

古泉くん達が何をしているのかなんて私は知らない。

だけど、このSOS団にいる人達は何かある。

それは確信を持って言える事だ。

ハルヒちゃんは多分、無意識に。
キョンくんは巻き込まれてる感じ。
だけど、古泉くん、有希ちゃん、みくる先輩は常に何かを計算して動いてる。

いや、動かされているのかもしれない。

多分、僅かに関わっていた朝倉さん達も含めて。

「…あなたは勘が鋭いようですね。」

「そうでもないよ。」

少し警戒したような古泉くんに私は短く答えた。

警戒されようと私には関係ない、そう意思を示すように。

「あなたは変わっていますね。」

「そうかな? 何かがあるからって変わるものなの?」

古泉くんの言葉に今度は質問で返した。

「古泉くんの何かを知ったからって昨日までとは違う古泉くんになる訳じゃない。
ただ私が気付いているか気付いていないかの違いだけでしょう?」

古泉くんは古泉くん、それは何も変わらない。

私が古泉くんに対する意識が変わらなければ何一つ変化はない。

そう付け足せば古泉くんは今までとは違う笑顔を浮かべる。

「よろしければ今度どこかへ出掛けませんか?」

「……はい?」

私はたっぷり間を空けて返事をした。

何でそうなるの?

「僕はあなたに興味をもちました、それも好意に近い…ね。」

私はただ苦笑を浮かべる、返す言葉が見つからない。

「たまには二人で…というのも良いものでしょう?
俗にいうデートというやつです。」

にっこりと綺麗な笑顔で言われて断れる乙女がどれだけいるだろうか。

「わかった。ただしお金がかからないピクニックで決定ね。」

私は降参してそう答えた。

「ええ、構いませんよ。
あなたの手作り弁当があれば最高ですね。」

にこにこと機嫌良さそうに笑う古泉くんを見て仕方ないなと小さく笑みをこぼした。

もしかしたら、これが恋のSignalかもね?






<丹羽 哲也>

「こんな良い天気の日はピクニックだろ!」

俺は生徒会室から見える窓を指差して言った。

「……………。」

そんな俺を無表情に見つめているのは中嶋ではなく

俺の愛しい恋人だ。

「…王様、仕事溜まってるの…見えないですか?」

「う…。」

微笑みながら言われて俺は視線を逸らす。

そんな可愛い笑顔でシビアなこと言うなんて卑怯じゃねぇか?

「だってよ…せっかく良い天気だし、たまには良いじゃねぇか。」

「今、仕事が溜まってるの…普段サボるから。
自業自得、かと。」

「…お前は二人きりになりたいとか思わないのかよ?」

「……………。」

呟いた言葉は無表情無言で返された。

いつもこうだ。

俺が二人きりになりたくて仕事をサボって、こいつを連れ出しても
ヒデに見付かれば、お前はヒデの味方をする。

結局、二人きりになれる時間なんて極僅かしかなくて
俺が一人で好きなんじゃないかと片想いなんじゃないかと思うほど。

こいつといると俺は余裕なんか全然なくて、それなのにこいつはクールでいつも少し不安で
弱気なんて俺らしくねぇのに。

「…仕方ない…。ここまで終わったら、ですよ。」

「は…?」

突然聞こえた言葉に顔を上げたら、さっきみたいな笑顔じゃなく
優しく微笑むお前の顔。

「私…仕事でも、一緒にいられたら十分。
でも、たまには…二人きりで…」

そこまで聞いて俺はお前を思いきり抱きしめた。

不安なんか一気に吹き飛んじまった。

「ちゃんと仕事…終わらせてから、ですよ。」

「あぁ、わかってるって!」

飴と鞭の使い方が上手な俺の恋人。

「大好きだぜ!」

俺の心を動かせるのはお前唯一人だけ。






<嵯峨 遼>

「こんな天気の良い日はピクニックですよね!」

なんて、言ってもあなたが動いてくれない事くらいわかってる。

まあ、文字通りご飯を餌にすれば別かもだけど。

何だか悔しいから、それはしないでおく。

多分、一樹くんやジャンくんなら無条件で付き合ってくれるだろうって思って、お菓子だけ作って籠に詰めた。

甘い香りのする籠。
あなたがいたら絶対に足りない量に少しだけ切なくなる。

更に庵原探偵事務所について私はガッカリした。

「何で今日に限ってトオルさんしかいないかな。」

「…相変わらず失礼な言い方だな。」

「だって…。」

二人きりだと会話が続かない。

前は良く料理を振る舞っていたから仲良く見られてたけど、心の奥にある想いに気付いてからは、あなたに料理を振る舞う事はなくなった。

途端、会話がなくなったのだ。

きっとあなたにとっては私より料理がメインなのだと、思い知らされて悲しかった。

だけど、もう料理を作る事は出来ない。

「だいたい何しに来たんだ?」

ツキンと心が痛む、あなたの言葉が胸に突き刺さる。

「……天気が良かったから。」

「は…? だから何だ?」

「ピクニックに、行きたいなって思って。」

機嫌が悪そうな声色で問われて自然と小声になる。

「……………。」

無言で眉間に皺を寄せるトオルさん。

「…何で一樹達なんだ?」

「え…?」

ポツリと呟かれた言葉に視線を上げれば

「何故、俺を誘わないのかと聞いているんだ。」

拗ねたような、あなたの顔。

「だって、ピクニックなんてトオルさんは付き合ってくれないって。」

「お前になら付き合ってやらん事もない。」

あなたの言葉に私は目を瞬かせた。

「料理、ないですよ?
お菓子は作りましたけど、ほんの少ししか。」

「構わん。料理が目当てな訳じゃないからな。」

即答されて
照れたように顔を隠すあなたが珍しくて
その顔が私に向けられているんだって事実が嬉しくて
私は自然と笑顔になる。

「トオルさん、天気が良いからピクニックに行きませんか?」

「あぁ。」

短い返事の後にお菓子の入った籠を持って私の手を引っ張る。

「……言っておくが、お前の料理だから旨かったんだぞ。」

歩きながら呟かれた、その言葉の意図が理解出来て
思わず私はあなたに抱き着いた。

「トオルさんの為だけに作ってたんですよ。」

心の奥にしまった言葉を口にしたら、あなたからの甘い口付け。

「知っていたさ。」

不敵に笑うあなたに私は破顔した。




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2008.3.15.初出
2020.4.19.再掲載

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